都議会第4回定例会(11月30日〜12月15日)で、都議会公明党は、企業の支援策として、産業空洞化策や年末の資金繰り支援策など、都民生活関連の質問や提案を行いました。都議会公明党の代表・一般質問に対する都の回答要旨を紹介します。なお、今定例会で和田議長が辞任をして後任の議長には中村明彦氏(台東区選出)が選ばれました。
被災地応援ツアーの来年度継続へ
産業・教育・福祉・防災・交通施策を推進
【新公会計制度の普及について】
他自治体との協議機関を年内にも設置
都議会公明党の提案で都が導入した、民間の会計手法を取り入れた新公会計制度について石原知事は、年内を目途に、同制度の本格導入を表明した大阪府など4自治体との協議機関を設置し、緊密に連携して日本全体の公会計制度改革をけん引すると表明しました。
【産業支援策では】
空洞化対策に取り組む製造業を支えよ
都議会公明党は「海外での利益を還元し、国内で高付加価値の製品を開発する製造業への支援を」と主張。石原知事は「円高の利点を生かし、海外市場を席巻する製品を生み出すことを構想すべきだ」として、支援に取り組む考えを示しました。
年末の資金繰りを支援。相談窓口も開設
年末における中小企業の運転資金の需要増加に対し、都は「つなぎ融資」の上限額引き上げなど行い、中小企業団体を通じて周知を図ります。さらに今月30日まで年末特別相談窓口を開設し、資金繰りの相談にきめ細かく対応します。
専門家派遣による経営相談の拡充を検討
中小企業が厳しい経営環境を克服するために、経営の専門家が継続的に企業を訪問して課題解決に向けたアドバイスなどを行う事業について都は、利用者の評価が高く、利用実績も伸びていることから態勢の拡充を検討します。
《総合的な雇用政策を推進》
ミスマッチの解消へ
賃金不安などから中小企業への就職をためらう大卒者が多いことから、都は、保育、住宅、雇用など分野の異なる相談を東京しごとセンターにおいてワンストップで対応し、非正規労働者と中小企業とのマッチングを総合的に支援します。
新卒者窓口の機能強化
適性に応じて新卒者が就職できるよう都は今後、東京しごとセンターの新卒向け特別応援窓口で、原則として窓口利用者全員に職業適性診断を実施します。さらに求人企業を訪問する少人数制のツアーも新たに開始します。
障がい者チャレンジ雇用
知的・精神障がい者を臨時職員として採用する「チャレンジ雇用」について都は、雇用期間を現在の半年から1年に延長し、更新も可能とする新たな制度の創設を検討します。さらに、就労する職場の拡大にも努めていきます。
【エネルギー政策では】
集合住宅の効率的な節電対策を推進
都は今後、大規模な集合住宅の効率化・省エネ化の調査を開始するとともに、災害時の給水など、生活に欠かせないライフラインの維持に必要な最小限の電力確保に向けて、災害に強い民間の住宅開発のモデルを提示し、普及を図ります。
【被災地支援策では】
震災がれき処理の安全性を周知せよ
東日本大震災被災地の災害廃棄物(がれき)の都内処理について都は、都民の十分な理解が必要なことから、被災地での放射能測定状況や分別方法などを分かりやすく説明するDVDなど、都の広告媒体を通じて安全性を周知します。
応援ツアーの来年度継続を検討
都が1泊3000円を助成する「被災地応援ツアー」が、都議会公明党の提案で9月から実施され、今年度予定した5万泊のうち既に半数以上が販売済みになるなど、好評を得ています。このため都は来年度の実施についても検討します。
【防災対策では】
地域防災計画に弱者や女性の視点を反映
避難所のプライバシーや高齢者の介護など、今回の震災で明らかになった課題を踏まえ、都は地域防災計画の見直しに当たり、被災地自治体やボランティアなどの生の声を聞き、災害時要援護者や女性の視点に立った対策を推進します。
来年2月、帰宅困難者対策訓練を3駅同時で
都は来年2月3日、東京・新宿・池袋の3駅で同時に帰宅困難者対策訓練を行います。訓練では駅構内などでの利用者の保護、情報ツールを活用した安否確認などの実践的な内容を盛り込み、今後の対策に生かします。
【障がい者施策では】
災害時に備え「ヘルプカード」を普及啓発
障がい者の災害時における緊急連絡先や支援内容などが記された「ヘルプカード」について、都は一層の普及啓発が図られるよう、カードの標準形式や記載内容、障がい者に配慮すべき事項などに関するガイドライン作成を検討します。
【自転車施策では】
状況に応じて、歩道の通行はOK
10月に警察庁が公表した自転車総合対策で、自転車の車道走行が徹底されたことから、都議会公明党は「自動車との事故を心配する声がある」と指摘。警視総監は「車道が危険な場合は徐行して歩道を通行できる」との見解を示しました。
条例制定の検討や専用レーン整備も
さらに都は、条例制定の課題も含めた自転車安全利用の仕組みづくりについて、関係各局や団体で構成する検討会の中で、年度末を目途に検討を進めるとともに、車道の一部を活用した自転車走行レーンの整備なども進めます。
一般質問から
【放射能除染対策では】
汚染土壌の管理など対応万全に
地表に付着した放射性物質を除染した際に生じる汚染土壌の管理などについて都は、区市町村などが適切に対応できるよう支援します。
スマートフォン
正しい利用方法などの周知を強化
急速に普及が進むスマートフォン(多機能携帯電話)のトラブル防止に向けて都は、注意喚起するリーフレットやDVDを作成します。
来年1月から肉牛を全頭検査
都は来年1月から、都中央卸売市場食肉市場が扱う肉牛について、放射性物質検査を12月7日から一部開始し、来年1月初頭から全頭で実施します。
これは原発事故に伴い、放射性物質で汚染された稲わらが与えられた可能性のある肉牛の問題を受けた対応で、検査結果は都ホームページに公表され、暫定規制値(1キログラム当たり500ベクレル)以下の牛肉には「牛肉安全確認証」が発行されます。
都議会公明党は、9月定例会で全頭検査に向けた体制の早急な整備を訴えてきました。