こちらでは都議会定例会の報告等をいたします。

平成21年《第4回定例会の報告》

都議会の第四回定例会は12月1日から16日までの日程で開催されました。今回の定例会では鳩山新政権が発足してからというもの適宜適切な経済対策が行われないために、このままでは更に景気の二番底にもなりかねないとの恐れから都としての雇用対策の充実、中小企業対策などあらゆる角度からの緊急対策の確立が求められていたのです。そこで都議会公明党は都民生活を守る立場からこうした緊急課題に対応すべく様々な角度からの提案・提言を行い着実な前進を勝ち取る事が出来ました。なお、定例会の最終日には自民党から各会計決算の「不認定」結果について田中議長の不信任決議が提出されるという事態になった事を報告いたします。

緊急課題対応へ具体策を提言
雇用拡大・中小企業支援・防犯対策など推進

【雇用対策の強化】

●緑化や環境などで緊急雇用を確保
緊急的な雇用を確保するため、緑化や環境保全を中心とした「グリーン・クリーン・プロジェクト」ともいうべき新たな雇用の創出を主張しました。
都は、約6千人の新規雇用を創出し、その事業に公園整備、河川清掃、間伐による森林保全なども加えることになりました。

●新卒者の合同就職面接会を充実
都議会公明党が提案してきた新規学卒者向けの合同就職面接会(11月25日開催)が好評だったため、さらに充実させて開催するよう提案しました。
これを受けて都は、2月16日に再度開催する合同就職面接会では就職活動のアドバイスや、相談窓口の情報提供など、内容を充実させていくことになりました。

●30代向けに環境関連の職業訓練を充実へ
職業訓練の職種拡大などで、30代向けの安定した雇用確保が緊急課題であると主張したのに対し、都側は環境関連分野など雇用の拡大が見込まれる新たな分野での職業訓練を行っていく考えを示しました。

●介護分野で雇用拡大進める
人材不足となっている介護分野での雇用を増やすため、新たな取り組みを行うよう主張。都は、離職者が介護施設で働きながら介護福祉士やホームヘルパー2級の資格を取得することを推進していく考えを示しました。

【中小企業支援策を拡充】

●海外の販路開拓支援を強化
都議会公明党は、中小企業が海外で販路を開拓していくには、現地での販路開拓支援を強化する必要があると主張。都は東アジアや東南アジアの全域で「製品分野ごとに商社OB等を活用した新たな仕組みを検討する」と、現地での支援強化の方針を明らかにしました。

これにより、海外で通用する技術を持ちながらも海外進出をためらっている中小企業を強力に後押しすることになります。

●新製品の販売促進を支援
都が認定した新製品、新技術を試験的に購入して販売促進を後押しする「東京トライアル発注認定制度」を拡充し、販売促進に結び付きやすくするよう提案。都は、監理団体にも適用を広げ、新製品・新技術の開発促進につながるよう一層支援していく考えを示しました。

 この認定制度は平成21年度から始まったもので、200を超える応募のうち64の製品が認定されました。都は、カタログやホームページの作成、認定製品の展示会などPRを中心に支援を行っています。


【治安対策の強化】

●振り込めサギ、ひったくり対策強化せよ
 高齢者や女性を狙う振り込めサギやひったくりが多発していることから、都議会公明党は対策を強化するよう主張。警視総監は、振り込めサギに対しては、官民一体の取り組みを強化する方針を表明。ひったくり対策については緊急雇用創出事業を活用し、ひったくり多発地域への民間警備員の派遣を行うことを明らかにしました。


【教育課題で提案】

●小一問題、中一ギャップ対策が前進
 小一問題(※)と中一ギャップ(※)に対応するには、チームティーチング(※)など学校の実情に合った学級編成ができるようにすべきと主張。都教育長は教員の加配、学級規模の縮小、チームティーチングの導入などを検討していく方針を示しました。
(※)小一問題=新小学校1年生が授業中に廊下へ出たり、教室内を動き回って授業にならない状況
(※)中一ギャップ=小学校から中学校に進学した際の変化になじめず、いじめや不登校につながる現象
(※)チームティーチング=一つの教室に複数の教員を配置し役割を分担して指導すること

●特別支援学校の再編で提案
 特別支援学校の配置が見直されている中で、都議会公明党は長距離通学、長時間通学を極力なくすような配置を提案。都教育長は、配置のあり方など課題ごとに検討組織を設置して検討を行っていることを明らかにしました。


【自殺予防対策】

●診療・支援体制の整備進める
 日本人の自殺者の数は年間約3万人にも上ります。事態を重視した都議会公明党は、自殺予防の視点から次のような提案を行いました。

?自殺の大きな要因の一つとなっているうつ病等の精神疾患については、内科医等のかかりつけ医と精神科医が連携して診療を行うことが重要とされていることから、都が平成19年度から一部地域で行っている「うつ診療充実強化研修事業」を全区市町村に拡大すべき
?研修を受けた、うつ病専門の「デプレッションナース」を配置し、うつ病患者の自宅を訪問して、話を聞き、心の状態を把握し、気持ちを和らげるような制度をつくるべき
?うつ症状の生徒をケアするためには、メンタルヘルスケア(精神的な健康の管理)を専門とするスクールカウンセラーが、早期発見、早期カウンセリング行える体制を整備していくべき

 こうした提案に対し都側は、「うつ診療充実強化研修事業」について、拡大を検討していく考えを表明し、「デプレッションナース」については日本の保健医療体制における位置づけなどの課題を検討する必要があるとの認識を示しました。
 一方、児童・生徒の自殺予防のためのスクールカウンセラーの活用については、学校内の教育相談連絡会を活用して早期発見し、対応する構内体制の構築を支援していく方針を示しました。

【小児医療体制の整備】

●多摩地域の小児医療充実へネットワーク構築
都立小児総合医療センターのオープン(平成22年3月)に伴って廃止される八王子小児病院と清瀬小児病院の地域医療機能を維持するため、都は八王子地域、北多摩北部地域の中核病院と小児総合医療センターとの間で連携体制を構築していく考えを示しました。ネットワーク構築の重要性を主張した都議会公明党の提案に答えたものです。

 具体的な対応として都は、八王子地域の2つの大学病院に若手医師を派遣し医療連携を進め、多摩北部医療センターと小児総合医療センターとの間で情報システムを活用した診断支援などを行う考えを明らかにしました。
                 *
 このほか、小児総合医療センター内に開設する「アレルギー科」に小児アレルギーの専門医を新たに確保し、喘息(ぜんそく)やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患の高度な医療を提供するとともに、東京型ドクターヘリの活用についても3月の小児総合医療センターの開設と同時に運用を開始できるよう準備を進めていることを明らかにしました。

その他
 代表質問ではこのほか、都の財政運営、港湾の国際競争力の強化、医療機関の耐震化、自殺防止対策、八ッ場ダム、防火対策、東京多摩国体などについても都の見解をただしました。

都から見た国の「事業仕分け」の課題は?

 都から見た国の事業仕分けの課題について見解を求めたのに対し、都財務局長は大要次のように述べました。
? 事業仕分けは、個別の事業の必要性などを根本から見直そうという点では意味がある
? しかし、本質的な問題点として、事業を評価する際の大前提として不可欠な、その政策分野について国と?して何を目指すかという大きな政策判断が明らかにされていない
? 従って、仕分け人たちの間でも、判断基準が共有されないままに個別施策の議論が行われている
――などの課題を指摘しました。

 その上で、都が行っている事務事業の見直し手法である「事務事業評価」については、政策判断を前提に、事業の効果や効率性について事後検証を行い、予算編成に活用していると説明しました。

子ども手当て、高校授業料無償化などの都への影響は?
民主党のマニフェストに盛り込まれている「子ども手当て創設」「高校授業料の実質無償化」「自動車関連諸税の暫定税率廃止」が行われた場合、都への影響について都議会公明党が見解を求めたのに対し、都側は大きな負担増となるとし、巨額の費用を地方が負担することは困難であるとの認識を表明しました。仮に、こうした費用を地方交付税で地方自治体に財源措置をしたとしても、東京都とすべての特別区、都内16の市・町が地方交付税の不交付団体であることから、これらの自治体にとっては実質的な財源措置にはならないと指摘しました。

 これに関連し、子ども手当ての財源として国が検討している所得税に加?えて、住民税の扶養控除も廃止された場合、特に福祉分野での影響が懸念されることから、都議会公明党は具体的な影響について見解を求めました。
都側は、国民健康保険や介護保険の保険料、認可保育所保育料などのように、税額や課税の有無に応じて負担額が増減する仕組みを取り入れているもののほか、ひとり親家庭等医療費助成のように、そもそも住民税非課税の場合には負担がなく、課税の場合に負担が生じるものがあるとし、「住民税の扶養控除が廃止されると自己負担が生じたり、負担額が増えるケースが出てくる」との懸念を示しました。

 都議会公明党は、巨額の費用がかかる制度の創設や見直しを国策として実施する場合には、地方に負担を転嫁することなく、国の責任で財源を確保すべきと考えます。

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