お答えします!新銀行東京Q&A
都議会公明党は新銀行東京問題については、「都民負担を最小限に抑える」と共に融資を受けている中小事業者を何としても守っていく事を大原則に判断したことを報告いたします。 Q1 追加出資について「公明党はなぜ石原知事を守るのか」との声が聞かれますが。 A1 自民党はただちに賛成を表明。民主・共産党は責任追及に終始する中、公明党は、プロジェクトチームを編成し徹底した調査を行いました。あくまでも税金投入に反対する納税者である都民の皆様の心情を根本にしながら、合わせて、新銀行東京から融資を受けている1万3000社の中小企業の方々を路頭に迷わせない。そして、断じて取り付け騒ぎを起こさせない。との責任政党の立場に立って、自民党を説得し Q2 そもそも石原知事は、なぜ銀行をつくったのですか? A2 少し長くなりますが背景をお話します。平成2年バブル経済の崩壊によって金融機関の破たんの危険性に直面した政府は、金融システムの安定化を図る目的で平成10年から13年にかけて、延べ53の銀行に約10兆4000億円の公的資金(税金)を投入し、多くの銀行を合併、統合、救済し金融危機を乗り越えてきました。ところが、あろうことか公的資金の投入を受けた銀行は、不良債権処理の名のもとに、中小企業に対して徹底した「貸し渋り」「貸しはがし」に出たのです。この結果、中小企業の倒産が相次ぎ、中小企業経営者の自殺が急増しました。 石原都知事は平成15年、2期目の都知事選挙の公約に「本来の機能を失った金融システム再生のため、中小企業の能力を引き出す、新しい銀行の創設」を公約の柱に掲げ、300万票という大量得票で圧勝し再選されました。翌16年4月都議会第1回定例会で自民・民主・公明・生活者ネットなど賛成多数で議決され、平成17年4月に新銀行東京はスタートしたのです。マスコミも「歓迎だ。都営銀行の構想は中小企業融資に配慮を欠く銀行に対する警鐘だ。」(産経新聞)。「金融改革への刺激になる。」(毎日新聞)と評価し、竹中経済財政・金融大臣も「銀行業界を活性化させる参入は歓迎したい」とコメントを寄せていました。 Q3 中小企業の役に立ったのですか? A3 これまで新銀行東京は、延べ1万7000社、現在は1万3000社に融資をしております。 これらの企業は日本の産業を支える技術力を持った企業が多く、新銀行東京の融資制度に期待をして選択しました。 特に他の金融機関では融資を受けられなかったであろう赤字・債務超過の中小企業に対する融資は5635社になります。4000社は正常に返済しており、この支援を断つことは倒産に追い込むことであり、生命維持装置をはずすことになります。 Q4 対応の選択肢は? A4 新銀行東京の現状を打開するには、3つの選択肢に限られております。 具体的には Q5 400億円投入ではなく、破たん処理はできないのか? 日本初のペイオフで、477億円損失 5600社の中小企業が倒産の危機へ A5 預金保険法上の破たん処理は債務超過または預金払い戻し停止の恐れがある金融機関に対して行われる措置です。 破たん処理は一般的な方法として、金融整理管財人の管理のもと、救済金融機関との合併や事業承継が行われます。 その影響は、1000万円以下の預金の元本、利子等は保護されるものの、これを超える部分は銀行の財務状況に応じてカットされるいわゆるペイオフが発動されることになります。新銀行東京では、1000万円超の預金者9600件、477億円が支払われなくなります。また、新銀行東京の顧客は、赤字・債務超過の企業が多く、5600社の中小企業が即倒産の危機に直面してしまうのです。 この選択肢では、法的には都の負担は生じませんが、我が国で初のペイオフの実施に伴う影響ははかり知れず、国民経済上多大な損失が発生する可能性が高くなります。 Q6 また、400億円投入ではなく事業清算はできないのですか? 都が1000億円を貸し出しさらに、1000億円が回収不能 合計2000億円の損失になる。 A6 事業清算は、金融庁の認可を受けて銀行が自ら廃業するものです。 そのためには預金者保護が前提であり、預金を返済しなくてはなりません。 新銀行東京の現在の預金残高は約4000億円ですが、直ちに現金化できる資産は3000億円しかありません。このため、約1000億円を都が貸付金という形で支援しなければなりません。 また、事業清算を公表することにより、融資先にモラルハザード(経営倫理の欠如)が起きる可能性もあり、融資返済がこげつき、さらに多額の損失が発生することも予想されます。その場合の損失額は1000億円に及ぶと推計されます。 Q7 そもそも、400億円の追加出資をせずに事業を継続することはできないのですか? A7 このままでは、2007年度末の決算が認定されず、金融庁から業務改善命令が下されることになります。結局、業務継続は困難になり、預金の取り付け騒ぎなども起こり、実質、破たん状態に陥ります。追加出資は、最後に残されたやむを得ない選択なのです。 Q8 どうしても400億円も必要なのでしょうか? A8 まず、自己資本の維持に80億円、新規事業や風評リスクに40億円が必要です。その上で、銀行業務には、万が一の備えとして、通常起こり得ない損失についても、資本でカバーすることが求められています。都の説明では、これを融資や保証などの残高(2230億円)から一定の割合でリスクを算出し、125億円としています。さらに金利や株価の変動に備える45億円、ファンド投資のリスクに100億円、運営上のリスクが10億円。以上の合計で400億円となります。 Q9 再建計画の信頼性を疑問視する声もありますが? A9 新銀行東京の事業再建計画は、事実上、事業縮小後に他の銀行と提携等による事業譲渡も視野に入れたものです。これからは、融資を受けている中小企業への影響を最小限に抑えながら、今後は事業縮小に向かっていきます。なお、追加出資された400億円についても損失させないように、公明党は減資も視野に入れるよう主張しました。 今回、400億円を追加出資すれば、他銀行との提携あるいは事業譲渡などが可能になり、400億円の保全または回収が可能となります。 Q10 このような事態に陥った責任は、ずさんな経営に終始した旧経営陣だけにあるのでしょうか。公明党を含めた議会にもあるのではないですか? A10 3月25日の予算特別委員会で公明党は都の責任をただし、石原慎太郎知事は「都の監督責任は、最終的には知事である私に帰する」として陳謝しました。一方、新銀行東京の設立に都が1000億円出資する際の予算に、自民、公明だけではなく、民主、生活者ネットなども賛成しました。私たち議会の責任も痛感しています。ですから、昨年の3月、定例都議会予算特別委員会の公明党の追及で都は Q11 都民一人ひとりに新たな税金の負担があるのですか? A11 新銀行東京が開業した平成17年から、景気も好転し、都税収入、特に法人二税の収入が上向き、現在では約1兆6000億円の基金(東京都の貯金)があります、その中に、年度間の財政調整のための財政調整基金が5800億円あり、これは予期できなかった出費に対応する基金です。ここから400億円を出資しますので、新たな増税などをして都民の方々に直接ご負担をおかけすることはありません。 Q12 追加出資がないと、中小企業を見捨てることに? A12 そのとおりです。400億円の追加出資に反対するという選択は、新銀行東京を破たん処理や事業清算させることになります。 その結果、他の銀行では融資を受けることのできない赤字・債務超過の5635社(従業員数8万3000人、家族数は19万人)は、直ちに倒産に追い込まれてしまいます。こうした影響についてどう考えるのか、民主・共産・生活者ネットの3会派からは、責任ある説明は最後までありませんでした。 Q13 公明党は今後の責任をどう果たしていきますか? A13 公明党が自民党を説得して付した付帯決議にもとづき、都はさっそく4月1日産業労働局に「金融監理室」「金融支援担当部長」を設置しました。その役割りは 繰り返しになりますが、公明党は破たん処理や事業清算では、新銀行東京から融資を受けている中小企業の人々を倒産に追い込んでしまう、また逆に1000億円以上の税金投入が必要となってしまうことから、都民負担を最小限に抑えるため、厳しい付帯決議を付して追加出資を選択しました。 今回の追加出資を断じて無駄にすることがないよう全力を尽くしてまいります。
「フラガール」制作会社代表がコメント 2007年、日本アカデミー賞最優秀作品賞などを受賞した映画フラガールを製作した株式会社シネカノンの李鳳宇代表が、「新銀行東京からの融資がなかったら映画フラガールはなかったかもしれない」「新銀行東京から融資を受けて助かった都民も大勢いる。マスコミの論調は少し偏っているのではないか」等とのコメントを公明党に寄せておられます。 |
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