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平成27年《第1回定例会報告》


東京都議会の第一回定例会の代表・一般質問(2月24日〜2月27日)で都議会公明党は、雇用就労策、福祉や医療、文化芸術施策などの分野で積極的に議論を展開しました。

成熟都市・東京の未来へ向けて!!
東京の未来を着実に切り拓く課題解決に全力


東京から世界へ。平和への意志を発信
昨今世界では、テロと報復、そして紛争が吹き荒れ、そこに頻発する経済危機が加わり、平和や国際秩序の崩壊への不安に包まれています。これまで都議会公明党は日本の首都・東京には、国の外交とは全く次元の異なった世界との関わり方、国益と国益のぶつかり合いではない交流「都市外交」を重要視してきました。東京は5年後に迫った東京大会に向けて、平和への意志の結集とテロや紛争の解決を強く呼びかけ、生命の尊厳と基本的人権を守り抜くという理念を、繰り返し世界に強く発信していきます。

雇用就労施策
正規雇用化へキメ細やかな具体策を
都は昨年末発表した長期ビジョンの中で、今後年間5千人、3年間で1万5千人の非正規職労働者の正規職化を目指すと発表しました。そこで重要なことは、働くことを希望する人が、自ら希望する働き方を、自らの努力で手に入れることができる環境づくりです。都は平成27年度から、下記の具体策を講じていきます。
 @若者応援企業に対する独自の採用奨励金を創設
 A非正規雇用期間が長い方を対象とした、職務経験やスキルに応じた就業支援プロ
  グラムの提供
 B企業の正規雇用化の転換を促す、国の助成金に同額を助成する新たな助成制度の
  創設
 C職業訓練の継続
  こうした個々のニーズに応じた多面的な支援に取り組み、安定した職に就くこと
  を希望する方の正規雇用化を実現していきます。

創業の場の提供を積極的に推進
就労の促進には起業、創業による就労の場の拡大、特に女性や若者に対する創業支援策が必要です。都は平成27年度から、創業希望者のニーズに応じるインキュベーション施設整備の促進、地域の空きオフィスや店舗とのマッチングを推進するなど、それぞれの仕事の内容に適した創業の場の提供により、雇用の拡大につなげていきます。 ※インキュベーション施設:起業や創業をするために活動する入居者を支援する施設

少子化対策
「ゆりかご・とうきょう事業」を開始
出産直後の母親に対する心身のケアを行い、育児不安を解消する「産後ケアセンター」の整備促進が求められています。都は平成27年度から、区市町村が、全ての子育て家庭の状況を妊娠期から把握し、妊娠・出産・産後と切れ目のない支援が行えるよう「ゆりかご・とうきょう事業」を開始します。今後も、産後ケアセンターの設置をはじめ、産後ケアの取り組みを積極的に支援していきます。

保育士試験を年2回実施へ
都はこれまで待機児童解消に向け保育園の増設に取り組んできました。今後は保育人材の確保が課題となります。国は、保育士不足を解消するため、従来、年1回だった保育士試験を年2回実施することを目指し、都道府県への支援を発表しました。都は、保育人材確保のため、年2回の保育士試験実施を目指し、国や他の自治体と連携しながら、具体的な検討を行っていきます。

介護
介護人材の処遇改善
今回都は、介護職員の育成・定着を図るため、国のキャリア段位制度を活用して、職責に応じた処遇を実現するキャリアパスの導入に取り組み介護事業者を支援する事業を創設しました。この新規事業は、キャリア段位を取得した介護職員への評価を、着実に給与額に反映させることが目的です。今後多くの事業者で取り組みが進むよう、職場の人事管理・経営改善に関するセミナーの受講を義務付け、ホームページやリーフレットなどを通じて、事業の趣旨や内容を分かりやすく紹介し、都民や事業者に幅広く周知を図っていきます。

介護報酬の改定
今回の介護報酬の改定に関しては、国会でも審議されていますが、頭から福祉と介護の後退であると批判する議論があります。しかし、これは余りにも乱暴で、一方的な議論と言わざるを得ません。都は、改めてマイナス改定が介護保険料に及ぼす影響と、マイナス改定に至った根拠と理由を、説明会を通じて区市町村や事業者等に周知し、報酬改定の影響も含め調査を行っていきます。

都市外交
姉妹友好都市との関係強化
ニューヨークやロンドンなど、東京の姉妹友好都市は世界11箇所に上り、東京の貴重な財産であり、世界各都市が抱えるより広範な課題を共に解決し、相互交流により関係を強固にすべきです。都は舛添知事就任後、友好親善にとどまらず、大気汚染対策や道路陥没対策など、環境や危機管理等様々な分野で関係を築いてきました。昨年12月には「都市外交基本戦略」を策定し、大都市が直面する課題解決に向けた相互交流を推進し、関係強化を図っていきます。

海外諸都市との交流の「礎」を築く
将来のさらなる友好と交流を深めるためには、海外諸都市との、未来を支える青少年の交流を本格的に展開すべきです。都はこれまで、アジア人材育成基金を活用し、アジア諸都市から100名以上の留学生を継続的に首都大学東京へ受け入れてきました。今後、新たに「都市外交人材育成基金」を創設し、アジアだけでなく、世界のより幅の広い都市から留学生を受け入れ、将来に向けて東京と海外の都市とを強固に結ぶ知日派人材を輩出し、息の長い都市交流の礎を築いていきます。

パラリンピック
「福祉先進都市・東京」にふさわしい大会を目指して
東京は、2回目のパラリンピックを開催する初めての都市となります。過去最高の大会にするためにも、広く都民にパラリンピック大会や競技の素晴らしさを伝える取組が重要です。都は、平成27年度から、障がいの有無に関わらず参加できるスポーツイベント「チャレスポ」を拡充し、テレビなどのメディアによる普及啓発を行います。こうした取り組みを通じ、オール東京でパラリンピック開催気運の盛り上げを図っていきます。

障がい者がスポーツを楽しめる環境整備
これまで都は、障がい者スポーツの場の拡大に向け、施設のバリフリー化など、ハード面での対策を行ってきましたが、施設管理者や指導者への理解促進などソフト面での環境整備も必要です。今後都は、施設管理者へのマニュアル作成や、障がい者スポーツ指導員へのフォローアップ研修などを実施し、障がい者スポーツの環境づくりを進めていきます。

文化芸術
あらゆる人々が芸術文化を創造し、享受する都市・東京
1月に都は、今後の芸術文化振興における基本方針を示す「東京文化ビジョン(素案)」を発表しました。これは2020年に向けて展開していく文化プログラムを初めとする芸術文化活動の進むべき方向性を示したものです。素案には、子どもを対象とした伝統芸能などの文化体験プログラムや障がい者アートの展開、文化施設の共有パス、鑑賞環境の整備など、芸術文化を身近な存在にするための取り組みが示されており、東京を多様な文化を体験できる街にしていく取り組みが示されています。

防災対策
さまざまな危機に空から対応・エアハイパーレスキューを創設
災害時や緊急時に都民の命を守るためには、より重層的な対策が必要です。都はこれまで、東京消防庁保有の消防ヘリに医療機器を装備し、医師が搭乗して救急現場に向かう「東京型・ドクターヘリ」を導入し、非常時に大きな役割を果たしてきました。さらなる防災対策として都は、空から迅速かつ効果的な消火・救助・救急活動を展開する専門部隊「エアハイパーレスキュー」を平成27年度に創設します。世界一・安全・安心な都市の実現に向けて、陸海空が一体となった消防活動体制の充実を図っていきます。

一般質問
不登校・中途退学対策
再就学・就労に向けた支援
都は、平成27年度から区市町村のスクールソーシャルワーカーを拡充し、新たに都立高校にも配置します。また学校との関係が途絶え、これまで支援が届かなかった中途退学者を訪問し、個々の状況に応じて就労や再就学につなげる取り組みを行います。
※スクールソーシャルワーカー:子ども本人と向き合うだけでなく、家庭や行政、福祉関係施設など、外部機関と連携しながら、子どもを取り巻く環境を調整する。

ヘルプカード
全庁的な取組を検討
都議会公明党が提案し作成した「ヘルプカード」は緊急連絡先や必要な支援内容などが記載され、障がいのある方などが災害時や日常生活の中で困ったときに、周囲に自己の障がいへの理解や支援を求めるためのものです。今後都は全ての特別支援学校での指導を推進し、地域へヘルプカードの理解啓発を進めるよう働きかけていきます。

国際貢献
救急車、消防ポンプ車を等を海外に無償譲渡
東京消防庁はこれまで、諸外国で発生した地震等の災害現場に国際消防救助隊を派遣するとともに、海外消防機関に技術指導を積極的に行ってきました。また海外からの消防車両の譲渡要望に対し、救急車、消防ポンプ車など耐用年数を迎え、廃車となる車両を無償譲渡してきました。引き続き、諸外国との国際交流や国際貢献に努めていきます。

若年性認知症対策
世界に誇る日本の文化 マンガ・アニメを観光資源に
65歳未満で発症する若年性認知症は高齢者の認知症と違い、現役世代での発症であり、就労、居場所づくり、社会参加支援等多岐にわたる支援策を講じていく必要があります。都は若年性認知症総合支援センターを設置し、本人や家族からの多岐にわたる相談をワンストップで受け付け、地域の医療機関と連携するなど、若年性認知症対策を推進していきます。


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