東京都議会の第二回定例会の代表・一般質問(6月17日〜
6月18日)で都議会公明党は、都市外交やオリンピック・パラリンピック施策、福祉や医療、産業施策などの分野で積極的に議論を展開しました。ここでは代表および一般質問で推進した主な政策を紹介します。
「2020年・東京大会」の大成功に向けて
舛添知事と活発な議論を展開
都市外交
国同士の友好関係の復元力を強化
都は本年、舛添知事の北京市訪問やベルリン市長の表敬を受けるなど、姉妹友好都市と様々な交流を積極的に行ってきました。今後も都市の課題解決に向けた協力や、文化、スポーツなど幅広い分野での交流を推進し、国際的ステータスにふさわしい都市外交を行っていきます。
オリンピック・パラリンピック
広く都民の理解を得られる会場計画の見直しを
2020東京大会招致の際に策定した、新たに整備する10の競技会場計画について、レガシーや都民生活への影響、整備コスト高騰などの観点から再検討することになりました。関係団体などと議論を行い、広く都民の理解を得られる計画としていきます。
大会後の施設の利活用を検討
競技会場の施設は、大会終了後も都民や地元住民に親しまれ、都民の貴重な財産として、有効活用されるような施設となることが重要です。カヌー・スラローム会場の計画地である葛西臨海公園は、都内有数の水辺と憩いと行楽の場であり、自然環境に配慮しながら、公園の持つ魅力をさらに高める施設とするよう検討していきます。
東京湾の水質改善をスピードアップ
東京大会の開催に向けて、さまざまな海洋競技の舞台となる東京湾の水質改善が求められています。従来の下水の高度処理に比べて除去率が若干低いものの、既存施設の改造と運転管理の工夫により、効率的に水質改善を図ることができる準高度処理施設の導入を促進し、水質改善をスピードアップしていきます。
「アーツカウンシル東京」の体制を強化
都は平成24年、文化都市・東京の実現をめざし「アーツカウンシル東京」を設置しました。今年度から、民間支援機能の拡充や専門人材の積極的登用などの取組を強化し、様々なジャンルの芸術家や人々の参加を得ながら、東京大会を文化の面でも成功に導いていきます。
※アーツカウンシルとは文化芸術分野の人材育成、民間文化団体への助成や政策提言などを行う専門機関です。
街中のいたる所で文化プログラムを展開
2012年のオリンピック・パラリンピック・ロンドン大会では、中心部の交差点でのサーカスイベントが行われるなど、公共空間を活用した文化プロジェクトが実施されました。都は2020年東京大会に向けて、公園や道路などの公共空間や民間の文化施設を活用するなど、これまでに例のない場所での事業展開も検討していきます。
オリンピック教育の充実
児童・生徒が、オリンピックやパラリンピックの理念や歴史を正しく学び、我が国や他国の生活文化を理解することは重要です。学校と参加国が交流する一校一国運動やボランティアの育成など、様々な取組を都内全ての公立小中学校等で展開し、児童・生徒が国際的な視野を養い、世界平和に貢献する教育を積極的に推進していきます。
「人権施策推進指針」を見直し
東京を世界一の都市とするためには、すべての人が互いに認め合う人権尊重の理念の浸透が不可欠です。さらに、オリンピック・パラリンピック開催都市にふさわしい、人権が尊重される社会の実現が求められています。今後、人権施策の基本的な考え方について検討する外部有識者の会議を設置し、人権施策推進指針の見直しに着手します。
事前合宿を都内全域に誘致
各国選手団の事前合宿を都内全域で実施されることは、若者が身近に国際交流を体験できる貴重な機会となります。今後、2016年に行われるリオデジャネイロの大会までに、合宿候補地を記載したガイドブックを作成し各国オリンピック委員会に情報提供する予定です。また都は区市町村の参考となるよう、過去大会の事前合宿の実例などについて情報提供していきます。
福祉・医療施策
ニーズ調査を有効的に活用
地域包括ケアシステムにおいて区市町村は、次期計画の策定にあたり日常生活圏域ニーズ調査を実施しています。都は、調査から得られたデータをツールを使って分析し、地域の実情や課題を踏まえ、適切なサービス展開が図られるよう、区市町村へのヒアリングや助言を行い積極的に支援していきます。
大都市東京にふさわしいシステムの構築を
多くの高齢者は、可能な限り住み慣れた地域で生活したいと望んでおり、そうした社会の実現のためには、適切な住まいの確保や医療・介護など、生活支援サービスが日常生活の場で切れ目なく提供できる、地域包括ケアシステムを構築していかなければなりません。今後、都は、区市町村とともに、高齢者が安心して暮らし続けることができる大都市東京にふさわしいシステムの構築に向け、全力で取り組んでいきます。
居住の安定を確保
高齢者をはじめ障がい者、子育て家庭などが円滑に民間賃貸住宅に入居できるよう支援する、居住支援協議会が設置されます。他県の取組等についても広く調査し、各区市町村による協議会の設立と取組を支援します。こうした活動を通じ、高齢者など住宅の確保に配慮を要する方々の居住の安定確保を図っていきます。
家庭的保育・小規模保育への支援を検討
少子化対策について、都は平成27年度から始まる国の「子ども・子育て支援新制度」の準備にあたる区市町村への支援とともに、これまで都が独自に充実を図ってきた事業についても、国の動向を踏まえ、都の認証保育所同様に都として支援を検討していきます。
病児保育を積極的に推進
都はこれまで、区市町村における病児保育の取組を促進するため、様々な支援等を都独自で行い、今年度から病児保育施設を複数の区市町村で広域使用する場合の賃借料を補助する取組も開始しました。今後とも施設整備を進める区市町村を積極的に支援するとともに、自治体間の広域利用が進むよう、都が調整役を担い、隣接する区市町村それぞれに対して働きかけていきます。
教育施策
社会全体でいじめ問題に対応
今回の第二回定例会において「いじめ防止対策推進条例案」が提出されました。この条例では都、区市町村、保護者等の責務を明確にするとともに、地域や関係機関等と連携するための組織や、重大な事態が発生した場合の調査体制の整備などについて定め、実効性のあるいじめ防止対策を推進できるようにしました。
防犯対策
防犯カメラの設置促進と強化・拡充
防犯カメラは、犯罪抑止や犯罪の早期解決にも役立ち、地域の安全・安心を確保する上で大変に有効です。都はこの10年間で、町会等に合計2122台、商店街
等に合計2665台の防犯カメラを設置してきました。さらに設置後7年を経過した更新分を補助の対象に追加し、通学路に設置される防犯カメラに対する補助
事業を創設しました。
中小企業対策
中小企業の経営基盤を強化
都内企業数の99%を占める中小企業が景気の好循環の波に乗り、元気にならなければ、東京の発展、ひいては日本の成長はあり得ません。そのため都は、中小
企業の経営基盤の強化に向け、新たな取引先の開拓や日々の資金繰りなど、様々な経営課題の解決をきめ細かく支援します。
産業施策
「クールジャパン」産業の成長を支援
和食が世界無形文化遺産に登録されるなど、日本文化への関心は、近年、世界的な広がりを見せており、アニメやファッションなどは、ビジネスとしても世界に通用する競争力を持っています。いわゆる「クールジャパン」を支えるクリエイティブ産業を、東京に活力と成長をもたらすリーディング産業として育て、その魅力を世界に発信していきます。
防災対策
豪雨対策を複合的、重層的に実施
都は、豪雨時の流域対策の実効性を高めるために、雨水貯留浸透施設への一層の支援や、重点的に対策を実施する流域ごとの豪雨対策計画の拡充などを念頭に、施設見学会の実施やホームページでの周知による理解を得ながら、「豪雨対策基本方針」を6月末に改定します。
一般質問
クレジットカード納税
納税の対象を拡大
クレジットカードでの納税利用者が、年々増加し、今年度の納税額の約6%を占めています。他の都税への拡大や固定資産税など、都民のさらなる利便性向上や都税収入確保などの観点から、今後も、クレジットカード納税の対象拡大に向けて取り組んでいきます。
認知症対策
行方不明高齢者の情報共有システムを整備 認知症による行方不明高齢者が昨年1年間で1万人を超え、今後は増えるものと懸念されています。御家族の苦しみを少しでも軽減するため都は、積極的に情報を掌握し、国と連携しながらより広域的に情報を共有できるシステムを整備し、警察や区市町村などとの連絡会等を開催しながら、連携を強化していきます。
【ヤジ発言の経緯】
18日の都議会本会議で、女性議員が一般質問で晩婚化や妊娠・出産に関する質問中に、男性議員から「自分が早く結婚したほうがいいんじゃないか」などのヤジが行われました。これは、女性への人権侵害に当たるもので、不規則発言といえども断じて許されるものではありません。
再発防止のため、都議会として下記の通り決議しました。
【決議文】
東京都議会の信頼回復に関する決議
平成26年第2回定例会において、一部議員から発言中の女性議員に対し、人権侵害と言われかねない不規則発言が発せられ、都民の信頼を損ねるなど、重大な影響が生じた。
議員は、議会の秩序及び品位を重んじなければならないと定められているにもかかわらず、このような不規則発言が発せられたことは、誠に遺憾である。
よって、東京都議会は、今回の事態を真摯に受け止め、二度とこのようなことが起こらないよう、都議会の信頼回復及び再発防止に努めるべく、決意するものである。
以上、決議する。
平成26年6月25日
東 京 都 議 会
【本会議討論】
今定例会において、女性の尊厳を著しく傷つける、到底容認できない不規則発言がありました。「女性蔑視」「女性に対する重大な人権侵害」であり、強い遺憾の意を表します。東京都議会は、
二度とこのようなことを起こさないよう再発防止に努め、女性の尊厳を守る議会として再出発を果たさなければなりません。都民の皆様方の信頼を回復すべく都議会公明党として真摯に取り組んでいくことをお誓い申し上げます。
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