東京都議会の第2回定例会で都議会公明党は、都市機能の向上策や保育施策、雇用対策、防災対策、都市農業の支援などを訴えました。都議会公明党の代表質問に対する都の答弁要旨を紹介します。
保育サービスを行政区域越えて支援へ
都市機能向上策
都営バスの深夜運行
採算性を考慮し慎重に検討を
都心部における深夜の都営バスの運行は、知事の熱意は感じるものの、@消費エネルギーの増加による環境への悪影響、A街の治安の悪化、B深夜の運転スタッフの確保による人件費の増加などの問題点が指摘されます。加えて、C都営バス事業で、さらに赤字が増えるとの懸念もあり慎重に検討すべきと主張しました。
渋谷・六本木の盛り場環境を浄化
当地区では、防犯ボランティアなどと連携したパトロールや取り締まりを強化。その結果、犯罪の発生は、五年前と比較して大幅に減少しています。しかし、渋谷地区の「脱法ハーブ」の販売、六本木地区での悪質な客引きなど、違法行為が潜在化しているため、今後も盛り場環境浄化の取組が必要と思われます。
待機児童対策
保育施策について
多様な保育サービスの整備を推進
都知事は、保護者からの認可保育所と認証保育所の保育料の差が大きく、経済的理由から認証保育所に預けられないとの声に対して、保護者や事業者の声に応えるためにも、認証保育制度を国の制度に位置付けるよう、国に対して一層強く求めていきますと答えました。
行政区域を越えた取組を都が支援
区市町村が、保育ニーズに合わせて適切な保育サービスにつなぐ取組は、待機児童対策として有効です。都は、自治体の柔軟な取組を認めるよう、国に働きかけるとともに、今後、区市町村が連携し、行政区域を越えた対応ができるよう、人材育成や情報共有など、積極的に待機児童対策を推進していきます。
雇用施策
若年、中高年齢者の支援強化
都立高生の中退予防や進路未決卒業者を支援
都教育委員会は、都立高校と若者の自立支援に実績のあるNPO等が連携するモデル事業を開始します。在校生には進路指導や退学の恐れのある生徒への個別相談を、中途退学者や進路未決定卒業者には、取組を通じて得た情報や信頼関係を活かして、働きかけていきます。
高齢者の希望と能力に応じた働き方を相談
都は、今年度から、しごとセンターで、中高年齢者が高齢期の働き方を適切に選べるよう、自己のキャリア内容の理解や人生設計の立て方へのセミナーや個別相談を実施していきます。そして、自らの希望や能力に応じた高齢期の働き方が実現できるように支援します。
防災・減災対策
首都直下地震から都民を守る
非構造部材の耐震費用の自治体負担分を補う
現在、区市町村が国のガイドブックを活用した非構造部材の点検と対策に着手、都教育委員会は、対策費用のうちの区市町村負担分を全額補助します。今後、国は具体的な対象及び指標を作成しますが、都は、これを受けて区市町村が耐震対策を進められるようにしていきます。
帰宅困難者受入れ事業者の声を反映
一時滞在施設の管理者には、多くの帰宅困難者を安全に受け入れる責務が生じるため、責任の範囲を明確にしておく必要があります。都は、国に対して免責基準となる制度の創設を要望するとともに、帰宅困難者等連絡調整会議に、一時滞在施設の管理責任の関するワーキンググループを新たに設置し、国の制度構築の取組を後押ししていきます。
公共施設の液状化対策に国費助成
国の方針は、区画整理事業などで、宅地と一体的に行われる公共施設の液状化対策に、国費助成を行うというものです。国の支援策を受けて区からの提案があれば、都も、まちづくりに合わせた液状化対策について、区と連携して勉強をはじめていきます。
公社住宅の耐震化、32年度に100%へ
公社では、立替対象外の住宅の耐震改修に取り組んでおり、平成12年度末で耐震化率89%となっています。立替については整備計画の見直しを進めており、都としては、平成32年度の耐震化率100%を目指して、公社の支援を行っていきます。
多摩地区の応急給水施設を年度内に整備
発災時に、住民が自主的に応急給水に取り組めるよう、施設用地の一角にフェンスで囲んだエリアの設定を順次進めているほか、常設の応急給水栓の設置等の整備を進めています。今後、更新工事に合わせて実施するもの以外の47カ所すべてを本年度中に整備します。
整備完了後に地元町会と連携を強化
小児がんは種類が多い上、成長に伴う長期的な支援が必要です。そこで都は13年度、専門ごとに高度な医療を提供できる医療機関が多い都の特性を生かし、協議会を設置して診療連携や支援体制などを具体的に検討します。
コンパクトシティ
都住建替え後の創出用地を活用
都は、これまでも都営住宅建替えによる創出用地を活用し、福祉施設などの整備に取り組んできましたが、高齢化が急速に進行する中で、医・食・住の機能充実が一層求められています。今後、民間活力を活かして創出用地を活用し、高齢者が暮らしやすい生活環境の向上に取り組んでまいります。
都市農業
農地の多面的機能を活かす取組に
都市農地の保全に努めます
都は、「農業・農地を活かしたまちづくり事業」を実施し、ソフト・ハードの両面から支援しています。具体的に、農道を活用した散策路や防災兼用農業用井
戸等の整備を助成しています。また今年度から、小規模なエリアでも実施できる仕組みとしたほか、今後、貴重な都市農地の保全に努めていきます。
農業者の経営改善を補助します
都は、現在、「都市農業経営パワーアップ事業」で、農業者の経営力強化を図る施設整備を支援しています。これまで、農業用パイプハウス約1500棟や共同直売所や加工施設が整備され、農業者の経営改善に貢献してきました。今年度も酪農用飼料や生産機械の整備を補助してまいります。
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