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平成26年《第3回定例会 代表質問》


都議会公明党を代表して質問いたします。
今、私たちの周囲には、さまざまなリスクが存在しています。大規模災害を例に挙げるまでもなく、それは私たちの「想定」をはるかに超えて巨大なものになり、グローバル化の進展に伴い、影響が及ぶ範囲も地球規模にまで広がりつつあります。
最近では、核のテロやサイバーテロ、エネルギー危機といった人為的なリスクにより、想定を超える「最悪のシナリオ」の発生も強く指摘されています。近隣諸国との関係緊張も大きな危機をはらむものです。
首都・東京を考える時、直下地震の発生をはじめ、パンデミックやテロのような切迫性のある問題が存在していることは周知の事実です。さらにまた、確実に進む少子高齢化が及ぼす社会への影響、あるいは都議会公明党が繰り返し主張してきた女性が輝く社会の実現など、社会システムを変えていかねばならない、いくつもの緊急課題があります。
これらに対処するためには都政のシステムを思い切って変革しながら、東京ならではの対応策を作りあげる取り組みが強く求められます。そのために何よりも重要なのは「政治のリーダーシップ」であり、知事はそれを十分認識し、都政を前進させていくべきと考えますが、知事の所見を伺います。
私たち公明党は、女性の活躍推進はわが国が抱える最重要課題との認識から「女性の元気応援プラン」を策定し、5月に総理に提出しました。全国906人を誇る公明党女性議員が女性活躍推進への新たな政策としてとりまとめたものであり、あらゆる施策を盛り込んでいます。育児・介護休業制度の抜本的見直しや在宅テレワークの推進、女性の起業支援など、多様な働き方にも言及しています。
都はこのほど、女性活躍推進会議を立ち上げ、先般、シンポジウムを開催するなど、機運醸成に向けた取り組みを始めています。
シンポジウムで知事は「ワーク・ライフ・バランスよりライフ・ワーク・バランスが重要」と指摘し、働き方革命の必要を示しました。この会議を効果的に運用し、企業や学校、地域などあらゆる場で女性活躍推進の取り組みが進むよう、裾野を大きく広げていくべきです。 また、女性が安心して子どもを産み育てるには、男女ともにワーク・ライフ・バランスの意義や重要性について理解を深め、キャリアデザインの形成を促すことが必要と考えますが、都の見解を求めます。

【都市外交】
次に、都市外交について質問します。
舛添知事は就任早々より、都議会公明党の提案を受け、東京都の姉妹都市である中国の北京市、韓国のソウル特別市などを訪問し、都市外交を積極的に展開されています。
国益が激しくぶつかる国家間の外交で深刻な課題が山積する中にあって、そのレジリエンスとなる民間や自治体レベルの交流が求められており、知事の都市外交は、その期待に応えるものです。
今回のソウル市訪問では、地下鉄の安全対策における協力などで合意するとともに、セウォル号事件の犠牲者に献花され、その振る舞いが国を超えた人間同士の絆を感じさせ共感を広げました。
安定した外交関係は日本経済の土台であり、東京の活力源です。今後、東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、「アジア大都市ネットワーク21」の見直しを進めつつ、姉妹都市間で具体的な交流事業を広げながら、国の外交を補強する都市外交を展開していくべきです。ソウル市訪問の成果と、今後の都市外交の取り組みについて知事の所見を伺います。
都市外交強化で連携の強化がより期待される分野の一つは、防災対策です。地震、水害、そして大規模な事故やテロによる災害に備えることは大都市共通の重要課題です。
発生が懸念されている南海トラフ巨大地震による津波の被害は日本だけではなく、中国、台湾、フィリピンなどにも及ぶという東大地震研究所の報告もあり、東アジア沿岸部にある都市同士の防災ネットワークの構築が求められています。
これまでも東京消防庁のハイパーレスキュー隊は18回にわたり海外に広く派遣され、人命救助で活躍した姿は、国内外の人々の記憶に鮮明に残っています。
また、過日行われた都の総合防災訓練の終了後、ソウル市や台北市などから参加した救助隊の元へ駆け寄り、労をねぎらう一コマがありました。外交関係はどうあれ、心の壁を感じさせない知事の姿に、当日一般で参加した方からも感動しましたとの声が寄せられました。
大規模災害時における要員の相互派遣のほか、訓練、対策の企画、情報など幅広い分野で協力できる都市間の防災ネットワークを広げていくべきです。知事の所見を伺います。

【東京都の長期ビジョン】
次に、今月12日に発表した長期ビジョンの中間報告について質問します。
この長期ビジョンの策定は、五輪招致決定後初めてで、6年後の東京大会開催を踏まえ、10年後の東京の将来像を描くとしています。
2020年東京大会の成功はもちろんのこと、「世界一の都市・東京」を目指すための今後の都政運営の新たな指針であります。
東京が2020年以降、人口減少社会を迎える中にあっても、経済の活性化や安心の医療・介護体制の構築、さらには更新期を迎えた都市インフラの整備など、様々な課題を解決して成長を続けていかなければなりません。そのために知事は、就任後から、東京の抱える諸課題に対して、精力的に現場に赴き視察を重ねて来ました。今回の中間報告では、待機児童解消の達成時期や、特別養護老人ホームの整備数など多くの政策課題に対して、目標年次・目標値を設定していますが、知事として初めての長期ビジョンであるが故に、現場からの声をさらに生かした指針となるよう期待するものです。今後、12月の最終報告に向け、都民や議会からの意見を聞く中で、新たな課題についても盛り込むべきです。そこで、東京の新たな指針となる長期ビジョンの最終報告に向けた知事の見解を伺います。
続いて、警視庁が策定した「世界一安全な都市、東京」実現のための警視庁ビジョンについて質問します。
オリンピック・パラリンピック競技大会の東京招致に当たっては、都内の良好な治安が大きな強みとなりました。
一方で、都内の治安情勢は、特殊詐欺が依然として高い水準で発生していることに加え、サイバー犯罪が増加するなど厳しい情勢にあり、治安課題は未だ山積しております。
アスリートの活躍を支えるために万全な開催準備を進めていくには、治安対策を担う警視庁の役割は極めて重要であります。
そこで、2020年東京大会成功に向けた治安対策について警視総監の見解を伺います。

【オリパラ・文化ビジョン】
次に、文化施策について質問します。
知事は先の所信表明で、新たな文化ビジョンの策定を表明されましたが、都議会公明党も文化振興を前進させていく観点から3点にわたって提案をいたします。
一点目は、障がい者の文化芸術活動の推進についてです。
都議会公明党は、今月19日、公益財団法人・日本チャリティ協会が鳥取県で開催している「パラアート展」を見てまいりました。
同協会は30年近く前から、都とともに障害者総合美術展を開催している団体です。総合美術展には毎年、高円宮妃殿下がご鑑賞になられています。
今回の鳥取でのパラアート展では初めてヨーロッパの作家が出展し、国際色豊かな内容となりました。芸術は国と国との垣根を取り払い、精神性豊かな交流を促進します。障害者の芸術は、それを一層推進するものです。
都は、こうした団体の活動をオリンピック・パラリンピックの文化プログラムに積極的に反映すべきであり、知事が進める都市外交でも障がい者の文化芸術交流を取り入れるべきと考えます。
また、障がい者の文化芸術の素晴らしさを東京から発信する形をレガシーとして残すことは重要です。新国立競技場で世界のパラアート展の開催を検討すべきです。文化芸術の振興に向けた知事の所見を伺います。
二点目は民間の文化振興に対する支援であります。
東京においても文化芸術を愛する数々の個人や団体が、文化の力を社会に広めるべく地道に活動をされています。
一例となるのが、民間の文化団体が主催するアート国際公募展「アートオリンピア2015」の取り組みであります。アートオリンピアは、いまだ国際的な評価を受けていない世界のすべてのアーティストの才能を発掘し、その活動を支援することを目的として明年都内で開催される予定となっております。
こうした民間の取り組みを尊重し、文化芸術に携わる方々と協調して前進していくことが肝要であります。
文化ビジョンの策定にあたっては、民間の取り組みに対する支援の考え方を盛り込むべきと考えます。見解を求めます。
三点目は、文化芸術を推進する第三者専門機関であるアーツカウンシル東京の活用であります。わが党は、先の第二回定例会の代表質問において、東京大会に向けたアーツカウンシル東京の体制強化を訴えました。
体制強化は、運営面・機能面において組織の充実をはかっていくことはもちろんですが、何より重要なのは、政策を形成していく上で、現場の要望、知恵、経験を集積して形にしていく作業であります。
東京都やアーツカウンシル東京が精力的に文化団体や芸術家からヒアリングを行い、その経験と知恵を文化プログラムや文化ビジョンに活かすなどアーツカウンシル東京を十分に活用すべきであります。見解を求めます。

【人権問題の対応】
次に、人権問題の対応について質問します。 知事は北京やソウルを訪問し、人的交流を深めることによりお互いの心の壁を取り除こうと精力的に行動されました。 ソウルからの帰国後は安倍総理と会談し、社会的な問題となっているヘイトスピーチに対する国の対応を求めました。早速、与党内で検討が開始されたことを評価いたします。 一方、国連は日本に対し、外国人としての尊厳を傷つけるような発言を許す風潮があると指摘し、7月に国連規約人権委員会で差別的な対応に対する禁止要請を出し、続いて8月には、国連人種差別撤廃委員会でも対処勧告を出しており、国際社会からも今後の日本の対応が注視されているところです。 こうした状況を考えると、都としても人権啓発に積極的に取り組み、国内はもとより国外に対しても、都の人権に対する姿勢をアピールしていく必要があります。その一つとして、例えば今後、人権に関する都市宣言を発信するなど、人権の分野でも先進都市を目指すべきです。2020年のオリンピック・パラリンピック大会で東京は、国籍や人種を超えて様々な方々を受け入れるわけであり、人権を尊重する社会なくして大会の成功はありません。外国人の人権擁護に向けた決意と、人権啓発の取り組み強化について知事の所見を伺います。 【受動喫煙防止】 千客万来の東京は、喫煙マナーの素晴らしい「おもてなし」の国を目指すべきです。 IOC 国際オリンピック委員会が1988年に会場内の禁煙方針を採択しています。 バルセロナ、アトランタ、シドニー、アテネ、北京、ロンドン、リオデジャネイロ、ロシアのソチなど、オリンピックの開催都市には全て罰則付きの受動喫煙防止法または、条例が存在しています。 そもそも、受動喫煙防止は、喫煙、禁煙の両者の願いを実現する大変大事な政策です。タバコの煙の中には、PM2・5が多量に含まれています。喫煙できる飲食店などで働く人は、PM2・5濃度が禁煙場所の5倍から10倍になり、毎日のように著しい健康被害を受けています。 また、逆に、喫煙者は、タバコを吸うことができる場所を探すのに苦労します。その両者の思いを活かせるのが分煙です。 都では知事の所信表明で、「2020年大会を控え、飲食店などでの受動喫煙を防止するため、有識者や業界団体等の意見を聴く検討会を設置する」と述べています。検討会の結果を活かし、受動喫煙防止を積極的に進めていくべきと考えます。見解を求めます。

【危険ドラッグ対策】
次に、危険ドラッグ対策について質問します。
この度、都が「東京都薬物の濫用防止に関する条例」の一部改正を今定例会に提出し、積極的な規制・監視指導の強化を図っていくことは高く評価いたします。
しかしながら、危険ドラッグは、麻薬等の規制薬物乱用の入口となるゲートウェイドラッグとして使われるなど、麻薬・覚醒剤などの代替品として使用される懸念もあるだけではなく、人体への危険性は麻薬・大麻・覚醒剤以上とまで言われております。指導・取締りの強化と併せ「絶対に使わない!」という啓発がより重要であります。改めて知事の決意を伺います。
今回の改正には「警察職員への立入調査権限の付与」「警視庁と都の相互協力体制の整備」「公安委員会による知事への必要な措置の要請」などが新たに加わり、摘発、取締りに向けて大きな効果が期待されます。そこで、この条例改正による対策の強化について、警視総監に伺います。
また、危険ドラッグの使用者を出さないためには、徹底した教育が重要であります。都は現在、「薬物乱用防止教室」を全校で実施しておりますが、危険ドラッグに関する教育は、まだ十分とはいえません。薬剤師やNPOの専門団体などの外部講師を積極的に活用することも重要です。危険ドラッグを使用させないための指導の更なる充実について、教育長の見解を求めます。
次に重要なのが、薬物依存者に対する治療と治療後の自立支援に向けたサポート体制です。薬物乱用者やその家族は、深い悩みや不安を抱えており、病院や自立支援施設の情報提供、生活相談など、ワンストップで相談出来る体制が求められている状況です。
都は「東京都薬物乱用対策推進計画」を改定し、薬物問題を抱える人への支援を計画の柱の一つとして取り組むとしています。再乱用防止に向けた対策を強化すべきであります。見解を求めます。

【子育て支援】
次に、子育て支援について質問します。
わが党は今月1日、「少子社会対策プロジェクトチーム」がまとめた「安心して産み育てられる東京に」と題する政策提言を都に申し入れました。保護者の声や専門家の意見、先進的な保育事業の視察等を踏まえ、緊急を要する子育て支援策や中長期的な少子化対策を盛り込んだものです。提言の着実な実行を求めるとともに、以下、重点項目について質問します。
はじめに、緊急課題となっている保育所の待機児童解消です。提言では、保育所増設に向けた都有地の提供や、都内の自治体が活用しやすい情報提供を提案しました。待機児童対策について、都は今定例会に提出している平成26年度補正予算案で、用地対策を中心とした保育所緊急整備事業を重点的に予算化しているなど、その迅速・的確な対応は評価するものであります。
今後の課題は、区市町村に提供する用地情報の充実です。区市町村が計画を立てる際は、所在地や面積などの基本的な情報に加えて、都有地等が活用可能となる時期などの情報が必要となります。
活用する側の区市町村の立場に立った、丁寧で分かりやすい用地情報の提供が必要と考えます。見解を求めます。
次に、妊娠期からの支援体制の構築について質問します。わが党の提言のなかで、現状の子育て支援策が分野ごとに縦割りとなっているために、サービスを受ける側が、医療、保健センター、子ども家庭支援センターなど、それぞれの窓口に足を運ばなければならないという不便さがあることを指摘しました。
そうした課題を解消する方策として近年、わが国でも注目されているのが、フィンランドの「ネウボラ」という制度です。主に妊娠期から就学前までの健診、保健指導、予防接種、子育てに関する相談、他の機関との連携等をワンストップで行う切れ目のない母子支援の地域拠点です。原則として同じ保健師が一貫して担当することで、信頼関係のなかで支援が行われるのも大きな特徴と言われております。
フィンランドとわが国では、社会保障制度が異なり同じシステムをそのまま導入することは難しい面もありますが、ワンストップで行う切れ目のない子育て支援は、核家族化や地域における住民関係の希薄化が進む東京において、今後、必要不可欠な子育て支援システムになると考えます。
区市町村がそうしたニーズに対するサービスを提供できるよう、都として支援すべきと考えますが、見解を求めます。

【子どもの貧困対策】
次に、子どもの貧困対策について質問します。平成24年度の厚労省調査によると子どもの貧困率が16・3%になり、実に6人に一人が貧困家庭で生活している実態が浮き彫りになりました。貧困家庭では、学力不足により不登校や中途退学になりやすく、安定した就職が困難となり、親世代から子世代へと貧困が連鎖していく、との指摘があります。
教育現場においては、家庭訪問をしない学校が増えてきているため、子どもの家庭での様子を把握することが困難になってきています。従って、子どもの貧困の問題を教育や学校現場だけで解決させるのが難しい状況になっています。むしろ、子どもたちの学力を高めるには、落ち着いて学びに向える家庭環境を整えることが、まず必要であります。
都議会公明党は先日、子どもの貧困対策で全国的な注目を集める「さいたま市ユースサポートネット」を視察してきました。そこで実感したのは、誰にも相談できないまま、一人で問題を抱え込んでしまう、いわゆる「社会的孤立」を防ぐことの重要性です。貧困家庭の中には、社会的なつながりが希薄で地域から孤立してしまっているケースが少なくありません。こうした家庭を地域で早期に発見し、地域で支援していくことが必要となります。この点、「コミュニティーソーシャルワーカー」は、この「地域で支える」という視点に立ち、制度の狭間や複数の福祉課題などの対応困難な事案の解決に取り組んでいます。
国内でも、大阪府豊中市や北海道釧路市がこの「コミュニティーソーシャルワーカー」を活用して貧困家庭の支援に取り組んでいます。現在、都は、コミュニティーソーシャルワーカーの機能を持つ地域福祉コーディネーターを設置する取り組みを8つの区市で進めていますが、今後、その取組をさらに推進していくべきであります。都の見解を求めます。
都は、現在貧困家庭の中の生活保護の家庭の子どもたちが塾に通える学習支援を独自の事業で行い、国の健全育成事業を活用した学習会などの取組も11の区市で実施し、効果をあげています。
来年4月からは、生活困窮者自立支援法が施行され、生活困窮世帯も含めた学習支援が実施されます。こうした実情を踏まえ、今後都はより多くの区市が学習支援に取り組めるようにすべきです。見解を求めます。
【特別教室の冷房化】 次に、子どもの教育環境の充実、なかんずく小中高等学校の特別教室の冷房化について質問します。 小中学校の普通教室冷房化は、23区と多摩地域を含む市町村では財源が原因となって大きな格差が生じておりましたが、わが党の提案で、平成22年度から東京都が支援し市町村でも冷房化が実施されました。 今年度からは、公立小中学校の特別教室の冷房化支援事業を実施していますが、その特別教室は、「パソコン教室、音楽室、図書室、視聴覚室」に限られています。これは、都立高校の標準整備に準じています。 都立高校の理科室など全ての特別教室を冷房化するとともに、小中学校の補助金についても同様に対象を拡充して冷房化すべきと考えますが、見解を求めます。

【障がい児保育】
次に、障害児保育について質問します。
本年9月、杉並区で民間事業者が重度の障害児を対象とし、発達支援と長時間保育を行う施設を開設しました。重度の障害があるお子さんも、ここに入所することによって親の就労が可能となる画期的な施設です。
従来は、重度障害児の保育所入所は不可能でした。しかし、障害が重度であっても、希望する人に希望する保育サービスを提供できる環境が望まれています。
ところが現実は、たとえ障害が軽度でも、保育所への入所は進んでおりません。国の検討会のデータによると、平成24年度では約5万人の障害児が保育所に入所していますが、これは保育所利用児童全体のわずか2・3%に過ぎません。
わが党にも、障害を理由に保育所入所を断られ就労が困難になったという相談が数多く寄せられています。子育てに関する親の選択の幅を広げ、女性の働く意欲を支える意味でも、特に軽度の障害を持つお子さんに関しては、地域の保育所で受け入れがさらに進むよう都は支援を強化すべきです。都の見解を求めます。


【難病患者支援】
次に、難病患者の支援について質問します。
今年5月にいわゆる「難病患者支援法」が成立し、来年1月の施行まであと約3か月になりました。
現在、国は、先行して対象とする約110疾病の案について、パブリックコメントを実施しており、その結果も踏まえ、10月中には正式に指定する予定とされています。そして、来年夏には最終的に300の疾病までに拡大し、助成対象者は現在の約78万人から、約150万人へとほぼ倍増する見通しであります。
都においも、約15万人の方が新制度の対象になる見込みであり、その方々が安心して新制度を利用できるようにすることが非常に重要です。そのため都議会公明党はこれまで、都に対し、万全を期して対応するよう強く求めてきました。
新制度の開始に当たり、とりわけ重要なのは、都が独自に行ってきた医療費助成制度の対象者への対応です。
都はこれまで、国の助成対象外の23の疾病に対し、独自助成を行ってきました。国が新制度に移行するに当たり、こうした方々からは、自身の利用している制度が今後どうなるのか、といった不安の声が多数寄せられています。
国の新制度では、所得に応じた自己負担限度額の見直しなどが行われますが、既に認定されている方に対しては、激変緩和のため、3年間の経過措置が設けられます。
こうした状況の中、都においては、患者の方々が安心して医療が受けられるよう、独自の医療費助成制度を継続の上、支援するとともに、必要に応じて経過措置を設けるなど患者目線の対応をすべきです。見解を求めます。
関連して、難病相談支援センターの機能強化について質問します。
今年5月の北海道難病相談支援センターに続いて、都議会公明党は7月上旬、佐賀県の相談・支援センターを視察してまいりました。同センターは平成16年9月、九州で初めて設置され、現在、NPOにより運営されています。
このセンターは、患者や家族からの相談に、細部にわたり丁寧かつ親切に応じていることで知られ、評判を聞いて、隣接する福岡はもちろん、九州各県から訪れる人もいるといいます。4名いる相談員は、いずれも患者本人またはその家族、いわゆる「ピアカウンセリング」であり、毎月1回、医師や臨床心理士等による専門研修を受け、スキルアップを図っているそうであります。
最近では、就労に関する相談が増え、全体の3割を超えるそうです。センターでは、こうしたニーズを的確に捉え、県と協同して、難病患者の雇用就労に理解のある企業や個人で構成する「難病サポーターズクラブ」を結成。事務局として、難病支援の普及啓発や、就労のためのネットワークづくりなどにも精力的に取り組んでいます。
以上の取組は、都の相談支援センターの機能強化を考える上で、非常に示唆に富んでいると考えます。今後の、都センターにおける相談機能の拡充について、見解を求めます。

【ぜんそく医療費助成】
次に、東京大気汚染訴訟にかかわる医療費助成の見直しについて質問します。
東京大気汚染訴訟は、自動車の排気ガスにより気管支ぜんそくを発症したとする方々が、国、東京都、自動車メーカー、首都高速道路公団を相手に、平成8年から開始した訴訟であります。本来であれば、患者の救済は国が責任をもって行うべきですが、都が主導して平成19年に和解が成立、都を中心とする関係者の財源により、平成20年から医療費助成がスタートしました。
この制度は、昨年度、創設から5年が経過し、和解条項に基づく見直し時期を迎えましたが、当初の財源を使い切る一方で、関係者から追加財源の拠出の理解も得られなかったことから、今回、一部見直しを行うことになりました。こうした状況のなか、都が、単独の財源により事業の継続を決断したことは、高く評価したいと思います。
その上で、今回の見直しは、新規認定の終了や自己負担上限額の設定など、大きな見直しとなるため、混乱や不安が生じないよう、丁寧に対応していくことが重要です。
そこで、制度移行にあたっては十分な理解が得られるよう、見直し内容の周知に手を尽くすべきです。見解を求めます。

【災害対策について】
次に、災害対策について質問します。
この夏は数十年に一度と言われる特別警報が相次ぎ、観測史上最大の雨量が各地で記録されました。9月11日には北海道で、東京23区の面積を遥かに超える広さの地域を対象に特別警報が発せられたりもしています。
そこでまず、900hPaに迫るスーパー台風などから都民の命を守るための対策についてです。
アメリカでは、2005年、最大時で902hPaを記録したハリケーン・カトリーナがニューオーリンズ市を襲い、一千名以上の尊い人命が奪われました。その経験を踏まえ、2012年、最大時940hPaのハリケーン・サンディの際には、予め取り組むべき対策を時系列的にプログラム化しておく、いわゆるタイムラインに基づく防災対策を布陣し、ニューヨーク州などで大きな効果を挙げています。
都内において、もし、決壊や溢水が発生した場合、中高層階の建造物へのいわゆる垂直避難だけでは被害の拡大は防げません。数日前から海抜の高い地域に避難する、広域避難が必要です。
ところが、百数十万人もの東部低地帯に暮らす都民が、一時に鉄道や道路、橋梁などに集中すれば、台風の襲来前に人命が奪われてしまう事態になりかねません。障がい者、妊婦、要介護状態にある高齢者などの要配慮者の避難などを優先させると共に、地域を区切って秩序正しい避難を実現させる必要があります。
そこで、被害の軽減を図るために防災・減災のタイムラインを構築するなど事前のソフト対策を確立しておくべきです。見解を求めます。 さらに、避難勧告などの発令において、絶対にタイミングを逸しないという強い姿勢とそれを担保する備えが大切です。現在の災害対策基本法では、発令の権限は区市町村長にあり、権限を有する者同士が、互いに様子を伺いあい、発令の時期を逸する危惧が拭いきれません。
この点、アメリカでは大災害時、大統領が非常事態宣言を発する国家的な対応を採っています。わが国においても広域避難の実効性を高める為には、同様に国レベルの対応が必要であります。こうした点について、都は国と検討し、推進を図るべきであります。見解を求めます。
ところで、現在の都の地域防災計画では、震災発生直後は各局それぞれの任務に取りかかることになっていますが、少なくとも初動の72時間は、都庁一体となって人命救出・救助に全勢力を傾ける必要があります。
都の危機管理の要は現在、総合防災部が担っていますが、総合防災部は、自然災害のみならず、テロや感染症等の様々な危機管理対応の連絡調整も担っております。首都東京都としてのスケールや、国との連携も視野に入れてもよいのではないかと思います。
13年前、米国同時多発テロが発生した際、わが党は都の危機管理体制強化のために、東京版FEMAの創設と危機管理監の新設を提案しました。これを受け当時の石原都知事は首都圏FEMAなるものを立ち上げましたが、残念ながら、ほとんど機能していません。
そこで、都各局はもちろん、自衛隊、警察、消防等との連絡調整を行う東京版FEMAの創設を改めて提案致しますが、知事の所見を伺います。

【土砂災害防止】
次に、土砂災害防止について質問します。
昨年は、東京の伊豆大島で、今年は、広島市で豪雨による土砂災害が発生し、多くの方が犠牲となられました。土砂災害防止法の改正を国で検討していますが、都としての取り組みも極めて重要です。
都は、平成13年度の土砂災害防止法に基づき、危険箇所の多い西多摩地域から基礎調査に着手し、平成17年度から順次、指定を進めております。これまでに土砂災害警戒区域が約7000か所、特別警戒区域が約4000か所指定されています。
この指定区域の中の人命に危険が及ぶ恐れのある特別警戒区域には、老人ホームや病院などの要配慮者関連施設が現在39か所あります。この施設の区域について優先して計画的に急傾斜対策事業を進めるべきであります。見解を求めます。
また、今述べた高齢者や病弱者などの災害弱者と並んで児童生徒が通う教育施設についても、安全確保が急がれます。建設局の調べによると特別警戒区域に公立私立を含めて保育園・幼稚園が3園、小中高校22校、大学など2校となっています。あわせて27校が土砂災害特別警戒区域内にあるのが現状です。
教育施設に関する危険箇所については、一刻も早く関係する都と市町村と連携してハード面の安全対策を行うべきであります。
さらに、休校措置や避難勧告については、国、都、各自治体と学校が緊密な連携をとって避難出来る体制作りが重要です。学校に対する安全確保の取り組みについて見解を求めます。

【大島復興支援】
次に、伊豆大島の復興支援について質問します。昨年10月16日の土砂災害から1年を迎えます。この間、がれきの撤去や、被災した漁港の復旧など、一定の成果が見えますが、被災した方々の本格的な生活再建や、大金沢など壊滅的な被害を受けた地域の再生はこれからであります。
こうしたなか大島町では、都とも協力し、今後10年を見据えた「大島町復興計画」を策定することとし、今月下旬の最終決定に向け、現在、詰めの作業を行っています。
計画には、ソフト・ハード両面の取組が盛り込まれていますが、具体化するための課題は、やはり、マンパワーの確保であります。特に、住宅再建や道路、農地、砂防施設等の復旧を同時並行で進めるには、土木・建築等の技術職や区画整理等の専門的知識を持つ職員が欠かせません。都職員OBや民間人の活用を含めた人員を集中的に派遣し、復興作業を加速させるべきです。見解を求めます。

【災害時の病院船】
次に、災害時の病院船による海からの救援活動について質問します。
首都直下地震の際には、首都圏全体で多数の負傷者が発生し、病院などの医療機関も被災して機能が低下することが想定されます。災害の発災直後から動き出しやすい海からの支援は、被災者の救命率向上に大きな役割を果たすことは間違いありません。
国は現在、医療機能を備えた病院船による海からの新たな医療支援の検討を進めており、昨年の三重県尾鷲沖に続き、今年秋には東京湾で病院船導入に向けた実証訓練を実施する予定です。病院船は東京都のみならず、近隣県を含めた首都圏一体で広域的に活用することが期待されます。
都は、東京湾での貴重な実証訓練を大規模災害発生時の対策に十分生かすべきであります。訓練の際、知事は湾岸自治体の首長とともに病院船に乗り、防災サミットを開くことも有効であります。
都は、今回の国の実証訓練を意義あるものになるよう国に協力していくべきと考えますが、見解を求めます。
今回の実証訓練では、船上における医療資器材の動作確認、救命・救助活動を担う関係機関との連携や情報連絡体制のあり方など、ハード・ソフト両面での検証が期待されているところです。
この中で、病院船を活用した救急医療の提供や患者の広域医療搬送には、医療チームの協力も欠かせないと考えます。
都は、全国に先駆けて災害医療派遣チーム「東京DMAT」を発足させて、東日本大震災においても、専門的なトレーニングを受けた医師、看護師等を被災地に派遣し、高く評価されました。
今回の実証訓練において、国がさまざまな角度から検証を行えるよう、東京DMATが参加すべきと考えますが、見解を求めます。

【環境問題】
次に、環境問題について質問します。
都は、「東京都長期ビジョン」中間報告で、再生可能エネルギーの電力利用割合を20%に拡大する目標を掲げました。
また、都施設の率先行動として2019年度末に約2万kWの太陽光発電導入を進めるほか、都内外で再生可能エネルギーの導入拡大を図ることとしています。
都の検討会では、導入拡大に向けた具体策の検討が進められていますが、今後、検討会の議論を踏まえ、官民連携して再生可能エネルギーを導入することが重要であります。見解を求めます。
また、再生可能エネルギーの利用割合を高めるためには、都内に膨大に存在する戸建ての既存住宅において、太陽光発電の導入拡大を図ることも重要です。
既存住宅は、窓や壁からの熱の出入りが大きく、断熱性の向上などにより、エネルギー利用効率を高め、エネルギー使用量を減らすことが必要です。
そこで、再生可能エネルギーの導入にあたっては、リフォームの機会を活用して、省エネ・節電にも取り組むことが効果的です。その機会を捉えて都としての支援をすべきであります。見解を求めます。

【戦略港湾】
最後に、国際コンテナ戦略港湾政策について質問します。当初、本政策は、選択と集中という理念のもと、重点的な投資を行う港湾を選定するとともに、港湾運営に民間の視点を導入し、柔軟で効率的な運営を実現することで、国際競争力強化を図るというものでありました。
しかしながら、国は、港湾運営会社に対する国の出資を可能とする港湾法の改正を行うなど、前提条件を変更し、その関与を一層強めようとしています。
先般、阪神港は、国の出資を大幅に受け入れる形で港湾運営会社を設立することを表明しました。
阪神港では、今後、国主導の港湾運営会社が、実態的な港の経営を担うこととなりますが、東京港とは異なる経営上の諸事情があったものと仄聞しており、事情の異なる京浜港においては、同じような手法は取りえません。
港湾の国際競争力向上は、我が国の重要課題でありますが、港の経営を国が主導すれば上手くいくというような、決して単純な問題ではありません。
東京港の今の繁栄は、港湾管理者である自治体と、現場の事業者が一体となって担ってきた、様々な関係者の努力の結果であります。 京浜港の港湾運営会社の設立にあたっては、未だ様々な疑問の声があがる中、現場の方々の声を十分に聞いて進める必要があり、決して拙速に進めるべきではありません。
当初の京浜港の計画書では今年度中の統合を計画していたようですが、政策の前提が変わった今、関係者の意見をしっかりと聞いた上で、慎重に進めるべきと考えますが、見解を求め代表質問を終わります。




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