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平成26年《第2回定例会 代表質問》


都議会公明党を代表し、知事、教育長並びに関係局長に質問いたします。 はじめに、桂宮宜仁(かつらのみやよしひと)親王殿下におかれましては、去る6月8日、薨去(こうきょ)されました。心より哀悼の意を表するものであります。 さて、舛添都政がスタートし早くも4か月が経過しました。この間、知事は都議会と真摯な議論を展開されました。そして第一回定例会後には、都政の最前線に積極的に足を運ばれ、「行動する知事」として、また、世界一の都市・東京の構築に向けて、日々、全力で取り組まれております。

【都市外交】
 さらに、本年第一回定例会で、わが党が知事に提案した重要課題である都市外交についても、精力的にスタートを切られました。それは緊迫した東アジア地域の情勢を緩和し、真の友好関係を広げるためであります。
 予算特別委員会で公明党は、我が国の地方自治体による姉妹都市交流が、中国との間で約350の都市、韓国との間で約150の都市で締結されていることを指摘しました。そして、北京やソウルと姉妹都市交流を結ぶ東京都の舛添知事が、レジリエンス、すなわち国同士の友好関係の復元力を強化するため、全国自治体の先頭に立って都市外交を推進していくべきと提案しました。
 それに対し、「全力で実現したい」と約束された知事のもとに、3日後には16年ぶりに駐日中国大使が表敬訪問。知事も北京市に対して友好交流の再開を発信され、その一か月後には、実に18年ぶりに北京市からの招聘による東京都知事としての訪中となりました。
 今、東アジア地域に求められているのは、「睨み合い」などではありません。胸襟を開いた「対話」であります。平和の祭典、文化の祭典であるオリンピック・パラリンピック開催予定地の東京都知事であるからこそ、友好交流の旗を高々と掲げ、「ソフトパワー」を発揮すべきであります。
 知事は就任から4か月、かつての知事とは比較にならない程、多くの外国の要人に会われております。東京の国際的ステータスにふさわしい都市外交をさらに力強く進めて頂きたいと思いますが、見解を伺います。
 折しも、来年は北京市などの留学生用宿舎である東京都の太田記念館が、開設25周年を迎えます。舛添知事も訪中の際にこの話題に触れて、北京市長をその記念事業に招待されました。さらに舛添知事は、この太田記念館を日中友好の人材交流の砦の一つと捉え、記念館を活用した卒寮生や在寮生などのネットワークの構想も提唱されています。
 そもそも戦後の日中国交正常化は、日中双方の卓越した民間人の交流による信頼関係が、花を開いて実現したものであります。都の太田記念館を舞台とした日中相互理解のネットワークづくりは、都市外交、首都外交の大きなカギを握るものであり、都議会公明党も大いに促進すべきと考えます。改めて知事の見解を伺います。

【被災地支援】
 次に、東日本大震災の被災地に対する支援、とりわけ福島県に対する支援について、質問します。
 去る6月6日、公明党福島県議団が都庁を訪れ、舛添知事あてに「福島の復興に向けた要望書」を提出いたしました。この要望書は福島県の復興ビジョンである「新生ふくしま 2020年に向けて」と連動するものであり、2020年の東京大会を視野に入れた要望でもあります。
 具体的には、かつてサッカーのナショナルトレーニングセンターであった福島県内のJビレッジの活用が取り上げられております。このたびJビレッジの復興・再整備スケジュール案が発表になり、東京大会前年の2019年上旬に再開される予定となっております。
 新生Jビレッジはサッカーコートを10面も有するため、福島県からもオリンピックのサッカー競技の合宿等に活用していただきたいという強い要望があります。都としても新生Jビレッジを復興のシンボルとして、オリンピックのサッカー競技の合宿等に活用できるように、組織委員会などともに取り組むべきであると考えます。都の見解を求めます。

【オリンピック・パラリンピック】
 次に、2020年のオリンピック・パラリンピック大会の成功に向けた取り組みについて、質問します。
 はじめに、会場計画の見直しについてであります。
 知事は、所信表明のなかで新たに整備する10の競技会場について、「大会後の東京にどのようなレガシーを残せるのか、広く都民にどのような影響を与えるのか、現実妥当性をもって見定めていく」と述べました。さまざまな観点に照らして見直しは止むを得ないものと考えます。大事なことは、関係団体、議会、広く都民の理解が得られる見直しとするべきであります。知事の見解を伺います。

【会場計画の見直し】
 また、東京大会以降も使用される競技会場施設については、大会が終了した後も、都民や地元住民に親しまれ、有効活用されるような施設とするべきであります。カヌー・スラローム会場を例にとれば、一昨年のロンドン大会では、計画の当初の段階から、大会後は、市民のレジャー施設として活用することを想定して施設整備を行い、現在も利用者が多いと聞いております。
 東京大会のカヌー・スラローム会場に予定されている葛西臨海公園は、水族園をはじめ、東京湾を一望できる砂浜や芝生広場など、自然を満喫できるスポットが揃う都内有数の公園であります。地元の江戸川区でも、多くの家族や子どもたちが水遊びを楽しめる施設を望む声が、根強くあります。
 カヌー・スラローム会場の見直しにあたっては、このような葛西臨海公園の持つ豊かな自然を可能な限り残すよう、十分配慮するとともに、公園の持つ魅力をさらに高めるため、大会後は、地元から要望の強いプールなど、水に親しめる施設としていくべきと考えます。都の見解を求めます。

【環境対策】
 次に、大会施設の環境対策についてであります。
 都は、都有施設の整備において、世界でトップクラスの建物仕様である「省エネ・再エネ東京仕様」を適用するなど、率先して建築物の環境負荷の低減に取り組んでおります。
 こうした都の取り組みや、わが国の優れた環境技術を世界にアピールする絶好のチャンスでもある東京大会の競技施設は、都施設としての現行の省エネ・再エネの仕様に準じるだけでなく、さらなる環境負荷の低減に努めるため、最新の技術を取り込むべきと考えます。見解を求めます。

【下水の高度処理について】
 次に、海洋競技が行われる東京湾の水質改善についてであります。
 東京湾は、カヌー・スラロームのほか、トライアスロンやボートなど多くの海洋競技の舞台となります。
 しかし、東京湾に流れ込む隅田川や多摩川等の河川の水質は、下水道の整備によって大幅に改善しているものの、東京湾では年間90日も赤潮が発生しております。
 この状況を改善するためには、富栄養化の主な要因となっているちっ素やりんを削減する、下水の高度処理の導入を進めていくことが必要であります。
 ところが、下水の高度処理施設の増設には、用地の確保、多大な費用、長い建設期間といったさまざまな課題があります。東京大会の開催に向けて、さらに東京湾の水質を改善するために、新たな視点に立ち、従来のタイプよりも短期間に整備が可能な下水処理技術を導入すべきと考えますが、見解を求めます。
 また、下水を高度処理するとエネルギー使用量が増加するとの課題もあります。環境にも優しい東京大会とするため、大会運営上重要な役割を果たす東京湾の水質改善にあたっては、大きく省エネルギー化に結びつく高度下水処理技術を開発し、導入すべきと考えます。見解を求めます。
 さらに、東京湾の水質改善には、下水道以外の対策を含めた広域的な取り組みが必要であることから、東京湾周辺の各県などにも取り組みを促していくことが重要です。都の見解を求めます。

【五輪文化プログラム】
 次に、五輪文化プログラムについてであります。
 オリンピック憲章は、スポーツを文化、教育と融合させる意義を謳い、大会の開催期間を中心に文化プログラムを実施するよう求めております。これを近代オリンピック史上最大の規模と内容で展開したのが2012年ロンドン大会と言われております。
 この大会で文化プログラムの中心役となったのが、1946年に経済学者ケインズの提唱によって創設された「アーツカウンシル・イングランド」であります。
 これは、文化芸術分野の人材育成、民間文化団体への助成、政策提言等を行う専門機関であり、国際アーツカウンシル文化機関連盟には世界70カ国以上が加盟しております。わが国では2012年11月、日本で初めて本格設置されたのが東京都歴史文化財団の中にある「アーツカウンシル東京」であります。
 そこで、2020年東京大会に向けて「アーツカウンシル東京」の体制をさらに強化するとともに、わが国の持つ文化芸術の力を結集して文化プログラムの具体化を推進すべきであります。知事の見解を伺います。
 文化プログラムは、音楽、美術、舞台、映像、伝統文化、アニメ・コミック、和食文化など分野が広範にわたり、イベントの形態も多種多様になると想定されております。このため、都立の文化芸術施設をはじめ、公園、図書館、庭園、水族園、さらには民間の施設等も活用し、街中の至る所で取り組めるようにすべきであります。都の見解を求めます。

【教育プログラム】
 次に、文化プログラムと並んで重要視されている教育プログラムについてであります。  東京大会に向けて、都は今年度から、都内小中学校など300校をオリンピック教育推進校に指定し、オリンピック教育の先進的な指導事例に関する教員研修会も開催されております。
児童・生徒に対するオリンピック教育を進めることは評価いたしますが、その対象は、6年後をめざして、都内すべての小中学校などに拡大 すべきであります。
 なお、その際には、映像を使った補助教材も作成するなど、オリンピック教育の充実を図るべきであります。見解を求めます。
関連して全国の大学との連携強化について質問します。
 過去の大会では、通訳をはじめ救護や競技運営ボランティアとして活躍する多くの学生の姿がありました。
 都は、こうしたボランティア活動に加えて、大学と一体となった各種イベントの実施や、世界各国の学生との交流を進めるプログラムの実施など、学生の能力やそれぞれの大学が持つ特性を積極的に引き出すべきであります。大学や学生との連携強化について、都の見解を求めます。

【人権施策の推進】
 次に、人権施策の推進についてであります。
 観光案内標識や飲食店のメニューなど、五輪大会を機に東京を訪れる外国人観光客向けに、すでに多言語表記などの取り組みが始まっております。その上で、今後は「言葉の壁」だけでなく、「心の壁」をなくす取り組みも重要となります。昨年、都が実施した「人権に関する世論調査」によると、10年前に比べて都民の人権意識は高くなっているものの、外国人に対しては、差別意識等が依然として存在しております。
 そうした現状を改善し、東京大会を史上最高の五輪にするためには、日本の文化を世界に発信するだけでなく、外国の文化・生活習慣などを理解し、相互に尊重し合うという多文化共生の理念の高まりが不可欠と考えます。
舛添知事が先頭に立って、国の内外にわたる人権尊重の理念や多文化共生社会の実現を力強く発信していくべきと考えますが、知事の見解を伺います。
 ところで、都の人権施策の基本的な考え方を示した「人権施策推進指針」は、5年を目安に施策の見直しを行いながら進めることになっておりますが、実際には策定から今日に至るまでの14年間、一度も見直しが行われたことはありません。五輪開催に向け国際的にも注目される今こそ人権指針を見直すべきと考えます。見解を求めます。

【事前合宿】
 オリンピック・パラリンピックに関する質問の最後は、各国選手団の事前合宿についてであります。
 事前合宿は、大会で選手が最高のパフォーマンスを発揮できるよう、時差解消や開催国の気候に順応するために行われるものです。
2002年FIFAワールドカップでは、カメルーンの選手団が、大分県中津江村に事前合宿したことが話題になり、地域おこしにつながりました。
 東京大会では、世界各国の数多くの選手団が、日本国内において事前合宿を実施するものと思われますが、多摩地区をはじめとする都内全域にも積極的に誘致し、地域住民、特に若者たちが世界中の人たちと国際交流を行う機会とするべきであります。見解を求めます。

【地域包括ケア】
 次に、福祉と医療施策について質問します。
 まず、地域包括ケアシステムについてであります。  地域包括ケアシステムは、高齢者が住み慣れた自宅や地域で安心して暮らし続けられるよう「医療・介護・予防・生活支援・住まい」などのサービスを切れ目なく提供するものであります。
 埼玉県和光市では、すでに平成15年から、そうした取り組みを開始しており、要介護4や5といった重い介護状態でも、在宅での生活を選択できるように努めているほか、介護度の改善や悪化防止でも顕著な成果を挙げております。
 そうした取り組みを可能にしている要因の一つは、高齢者の実態を把握するための入念な調査にあります。和光市では、記名式の調査を全高齢者に郵送し、未回答の高齢者をすべて訪問し、回答を得ております。調査の結果は、日常生活圏域ごとの地域ケア会議の場で詳細に分析され、3年間にわたる介護保険事業計画の中で、到達すべき目標値を定める根拠となっております。
 さらに、記名式で実施した調査結果は、本人の同意のもと、ケアプランをはじめ医療・福祉・住まい・生活支援・権利擁護などのサービス提供者間でも共有化されており、無駄がありません。
 残念ながら、都内自治体では、調査が行われていなかったり、抽出であったり、無記名であったりなど、傾向性の把握しか出来ていない事例も見受けられます。しかも、2015年から始まる第6次の計画策定に向けた調査は、すでに昨年から行われており、現時点ではほぼ終了しております。
 そこで、当面の対策として都は、都内区市町村が調査結果を的確に分析し、地域ごとの課題の把握や、一人ひとりの高齢者に適したサービス展開に結び付けられるよう支援すべきと考えます。見解を求めます。
 その上で、地域包括ケアシステムの機能を本格的に高めるためには、調査のやり方それ自体を見直す必要があります。
 自治体ごとの人口規模が大きい都内においては、往々にして詳細な調査は困難と思われがちであります。しかし、調査の単位を細かく分けたり、実施を複数年次に分けたりして行うなどの工夫によって、同様の効果が得られるはずであります。
 3年ごとに行われる次の調査時期は、2016年が中心となります。都は、都内全域の地域包括ケアシステムの効果を高めることを目指し、実態調査のガイドラインを示すべきであります。見解を求めます。
 一方、重い介護度であっても在宅で介護できるようにするために大切な点の一つは、24時間対応が可能な訪問介護による服薬介助や、介護保険の市町村特別給付を活用した流動食や、刻み食の一日3回の提供などであります。こうした取り組みがあってはじめて、介護度の重い高齢者でも、特別養護老人ホームに入所しているのと同じような安心感をもって、在宅での生活を選択できるのであります。
 都内においてもこうした取り組みが普及するよう、都は区市町村を支援すべきと考えます。
 また、身体の機能が使わなくなることによって衰える、廃用症候群を防ぐための見守りサービスも大切です。
 そのためには、ケアマネジャーに対し、ケア会議をOJTすなわち職場内研修の場として捉え、具体的な事例を基に介護度の改善や、悪化防止に役立つケアプランの作成能力の向上を図る取り組みが重要であります。
 都は、介護度の改善や悪化防止に役立つサービス・ミックスを進めるためのこうした人材育成について、区市町村を支援すべきであります。併せて、見解を求めます。  要支援者向けサービスの区市町村事業への移行や、在宅中心の地域包括ケアシステムの実現に当たっては、予算組みの工夫やサービスの充実だけでなく、身体機能の改善に役立つ場合には身体介護や家事援助よりも、見守り介助を重要視するケアプランへの転換など、利用者や家族の意識転換も必要であります。行政、とりわけ保険者である区市町村長の強いリーダーシップが求められております。
 都においても、都内の区市町村長が強い覚悟をもって、地域包括ケアシステムの実現に取り組むことができるよう、介護保険制度に造詣の深い舛添知事自らが、強いリーダーシップを発揮し、明確な方向性を指し示すべきと考えます。知事の決意を伺います

【高齢者社会における住宅政策】
 次に、高齢社会における住宅対策について質問します。
 高齢者の住まいに対するさまざまなニーズに対応していくためには、住民に身近な区市町村が地域の特性に応じた施策を展開していくことが重要であります。
 そのためには、行政はもとより、不動産関係団体、NPO等が連携し、高齢者をはじめ障がい者、子育て家庭などが円滑に民間賃貸住宅に入居できるよう支援する「居住支援協議会」の設置が有効であります。
 都内で「居住支援協議会」を設置している自治体はいまだ3区しかなく、全区市町村に広げていく必要があります。そのためには、まず都が、自らの「居住支援協議会」の設立をできる限り早めるべきと考えます。見解を求めます。
 高齢者の住まいに対するニーズは多様化しております。可能な限り自立して暮らせる機能やサービスを備えた住宅や、高齢者が共同で暮らせるような新しい住まい方への期待も高まっております。
 都は現在、サービス付き高齢者向け住宅の供給促進や、空き家を高齢者のグループリビング用に改修する費用を助成するモデル事業を実施しており、高齢者の住まいの選択肢を増やす効果が期待されております。
 その上で、高齢者と子育て世代とが地域で触れ合える住まい方の選択肢が具体的に整っていけば、世代間交流を通し、さらにうるおいや活力が生まれてきます。こうした高齢者のニーズも踏まえ、都は、多世代が一緒に住める住宅の供給を促進すべきと考えますが、見解を求めます。

【子育て支援】
 次に、少子化対策について質問します。
 来年度から始まる子ども・子育て支援新制度では、「保育に欠ける子供」から、「保育を必要とする子供」へと支援対象が拡大するため、都民の期待も膨らんでいます。
 その期待に応えるため、保育サービスの充実が一段と求められることになりますが、国が5月末に公表した「公定価格」、すなわち国や自治体から事業者に支払われるサービスごとの単価は、消費税率10%を前提にした平成29年度時点での仮単価であります。その結果、来年、再来年の単価は、それぞれ前年の12月頃決定するとのことであり、事業者の最大の不安要因となっております。
 現在、都内自治体は、このように未確定要素が多い中にあって、多様な子育てサービスの利用料を定め、財源を確保するなど新制度の準備に臨んでおります。
 そこで、準備に当たる区市町村への支援とともに、これまで都が独自に充実を図ってきた保育ママや小規模保育などの事業についても、国の動向を踏まえ、都の認証保育と同様に都としての支援を検討すべきと考えます。見解を求めます。

【病児保育について】
 次に、病児保育について質問します。
 保育ニーズの増大に伴い、子育て支援策の大事な柱である病児保育の必要性が、一段と高まっております。
しかしながら、病児保育を実施している自治体は都内でも偏在しており、しかも、実施している自治体の域内でも、受け入れ施設が少ないなどの課題を抱えております。
 こうした現状を打開するため、都は、区市町村による病児専用の保育施設の設置を強力に支援すべきと考えます。さらに、病児保育施設の偏在に伴う都民全体の不便を補うため、都は、近隣の自治体間で病児専用の保育施設を共同で活用する広域利用を積極的に推進すべきであります。併せて見解を求めます。


【難病患者支援】
 次に、難病患者支援について質問します。  今国会で、医療費助成の対象となる難病の種類を拡大する法律が成立しました。東京都がこれまで支援の対象としてきた難病患者は当然のこと、都内医療機関も含めて全ての関係者が、新制度のもと今後も安心して治療・療養を行うことが出来るよう、万全を期すべきであります。  その上で、難病支援には、支援拠点の機能と就労支援内容の充実が不可欠であります。 先月下旬、都議会公明党が視察した北海道難病支援センターは「相談」と「宿泊」、そして、患者や家族会の「相互交流」という3つの機能を担っておりました。難病相談員を配置して、療養生活や医療・福祉制度、年金など幅広い相談業務に応じているほか、定員18名分の和・洋室を備え、入院待ちや検査通院での長期宿泊にも応じております。ほかに交流スペースもあり、視察の日も患者や家族会の方々が、熱心に交流しておりました。  北海道では、難病患者への就労支援にも力を入れております。難病支援センターに隣接する地域支援センター「アラジン」には、現在、16名の患者が通所し、ハローワークを通じた本格就労を目指しております。 難病患者は、日々病状が変化することから、計画的な就労が困難であり、各人の病状を慎重に見極め、助け合いながら、トレーニングを重ねる姿が印象的でありました。  法の成立により支援患者は大幅に増加します。また、都の難病相談支援センターの最寄り駅である広尾駅のバリアフリー化も進展し、利用者の利便性も向上しつつあります。  こうした中で、同センターの機能強化や、多摩のセンターの新設、そして、就労支援の強化など施策の充実が必要と考えます。都の見解を求めます。

【処方薬依存症への対応】
 次に、処方薬依存症への対応について質問します。
 近年、精神医療などで処方された薬が原因で、薬物依存症に陥る人が増えております。一般的に、薬物依存症と言うと、覚せい剤やシンナー、脱法ハーブなど、快楽や刺激を求めて手を出すというイメージがあります。しかし、問題が顕在化しにくいのは、精神医療で処方された睡眠薬や抗不安薬などを大量に服用した結果、依存症に陥ってしまう、いわゆる「処方薬依存症」であります。
 患者の正確な数は把握されておりませんが、2010年に、全国約1600カ所の精神医療機関を対象に調査したところ、薬物障害患者のうち、処方薬を主たる原因とする患者の割合は、覚せい剤に次いで全国第2位となったとの調査報告もあります。
 処方薬の摂取を中断した際に起きる精神的・身体的症状の恐ろしさは、覚せい剤など他の薬物依存症と何ら変わらないといいます。さらに、自傷行為や自殺を企て救急車で搬送されるケースも増えており、唯でさえ過酷な救急医療の現場に、より一層の負担がかかっている実態もあります。
 言うまでもなく、精神医療の治療は、薬物療法とカウンセリングなどによる精神療法の2つに大別されますが、我が国では、診療報酬上、薬物療法に手厚いため、結果的に、精神療法を受けることが制限されております。
 都として、こうした現状を改善することを国に強く求めるべきです。併せて、精神医療を受ける前段階として、患者が身近な地域で気軽に相談できる体制づくりや、調剤薬局の協力体制の確立など総合的に推進すべきです。それぞれ見解を求めます。

【いじめ防止条例について】
 次に、教育施策について質問します。
児童・生徒がいじめによって自殺に追い込まれた事件が、大きな社会問題になって以降、わが党は一貫していじめ防止のための条例制定を主張してまいりました。今定例会でいじめ防止対策推進条例案が提出されたことを、高く評価するものであります。
 条例案では、都立学校での重大ないじめ事案の発生に備え、学校や教育委員会に常設の組織や付属機関を設置すると定めております。さらに知事の指示により、常設機関とは別に有識者による付属機関を設置できるとしております。知事の判断で設置する付属機関については、議会への報告も義務付けており、重層的でかつ透明性や公平性にも配慮したものと言えます。
 そうした内容の本条例を基に、いじめ防止の実効性を高めることについて、知事の見解を伺います。
 とりわけ、いじめの発生率の高い小・中学校への対策は急務であります。区市町村の教育委員会に、都と同様のいじめ対策用の付属機関を設置するためには、やはり条例の制定が必要であります。都は、都内すべての区市町村において円滑に必要な条例の制定が進むよう、支援すべきであります。見解を求めます。
 条例の実効性を高める上で重要な役割を果たすスクールカウンセラーを常設で全校配置をするよう、この際、強く要望するものであります。

【防犯カメラの設置促進と強化・拡充】
 子どもや女性等を狙った悪質・凶悪な事件が後を絶ちません。
 これまで都議会公明党は、防犯対策の強化策として、防犯カメラの設置促進を繰り返し主張してまいりました。
2012年第二回定例会で、防犯カメラの設置効果を質したわが党の代表質問に対し、警視総監からは、犯行を思い止らせる効果に加え、犯人の特定、犯行の立証に極めて有効との旨の答弁がありました。
 都は、青少年治安対策本部を中心に、平成16年度から商店街を、平成22年度からは町会等を対象に防犯カメラの設置補助事業を実施してきました。
 この事業が開始されて以来、すでに今年で10年になります。当初の機材の老朽化や日進月歩の技術革新の中、わが党は、防犯カメラの更新についても補助事業の対象とすべきと訴え、すでに実現しました。今後は、都民の安全・安心を守るため、都は、防犯カメラに関する補助事業をさらに強化・拡充すべきであります。見解を求めます。
 先ごろ、当時・小学1年生の栃木県の女児が、帰宅途中の通学路で凶悪な犯罪の犠牲となった事件について、防犯カメラに残された画像が、犯人逮捕の有力な決め手になったとの報道がありました。
 都は、今年度、新たに通学路防犯設備の整備事業を実施することにしておりますが、通学路の安全を願う都民の期待に応えるため、学校・家庭・地域の意向が十分に反映された事業とすべきと考えます。教育長の見解を求めます。
 また、商店街や町会・自治会からは、防犯カメラの維持管理費についても補助を求める声が多く寄せられております。防犯カメラの維持管理費補助も視野に、都は取り組みを強化・拡充するよう、改めて強く要望いたします。

【中小企業対策】
次に、中小企業対策について質問します。 知事は、日頃から中小企業や零細企業が元気になれば東京全体に活力が生まれる、と述べております。 そこでまず、都内の中小企業への支援に臨む知事の決意を伺います。 今年2月から「経営者保証に関するガイドライン」の適用が開始され、信用保証制度を活用しない、いわゆる金融機関のプロパー融資でも、個人保証に頼らない融資が可能となりました。これにより、経営者個人の負担が軽減され、事業展開に取り組みやすくなるなどの効果が期待されております。 ガイドラインでは企業と金融機関それぞれに、具体的な取り組みを求めておりますが、都は、これをしっかりと周知し、都内中小企業の融資環境の改善に結び付けるべきであります。見解を求めます。 都は、わが党のかねてからの主張を受けて、動産・債権担保融資、いわゆるABL制度を創設し、今年5月から取扱いを開始しました。 このABL制度は、経営者の個人保証や土地担保によらない新たな資金調達手段として、実効性の高い取り組みであると言えます。今後、都内中小企業の経営をより一層後押しするため、都はABL制度の利用促進を図っていくべきと考えますが、見解を伺います。

【「クールジャパン」関連産業支援】
 和食が世界無形文化遺産に登録されるなど、日本文化への関心は、近年、世界的な広がりを見せております。
 例えば、いわゆるポップカルチャーの分野でも、来る7月2日からの5日間、東京都と姉妹友好都市を結ぶパリで、アニメを中心としたジャパンエキスポが開催されます。今年で15回目となり、今やヨーロッパ最大の日本文化の祭典となっております。
 一方、アニメやファッションなどの「クールジャパン」関連産業は、映像配信やグッズ販売だけでなく、「衣」「食」「住」を問わず、リアルな日本文化や生活習慣への関心を広げ、訪日意欲を高めるきっかけとなっております。
 2020年の東京五輪は、「クールジャパン」分野で、長年、下支え的に活躍してきた多くの都内中小企業にとって、絶好のビジネス・チャンスであります。
 東京に世界の注目が集まるこの機会を逃さず、「クールジャパン」関連産業が将来の東京の活力を担う産業の一つとして成長できるよう、都としても積極的に育成や発信を行うべきと考えます。知事の所見を伺います

【環境対策】
次に、環境対策について質問します。 わが党は、再生可能エネルギー促進PTを設置し、都が再生可能エネルギーの先導役を果たすよう主張してまいりました。 これを受けて、舛添知事が今月3日、「東京都再生可能エネルギー拡大検討会」を設置したことは、普及拡大に向けた大きな一歩であり、評価いたします。 そこで、改めて都が先頭に立って再生可能エネルギーの拡大を加速していくことについて、知事の見解を伺います。 わが党は、かねてより、再生可能エネルギーの東北地方への投資は、東日本大震災の被災地の復興にも役立つと主張してまいりました。まさに、官民連携ファンドこそ被災地復興にも貢献するものであります。 そこで、現行の「官民連携インフラファンド」の成果と、今後の新たなファンドの活用の取り組みについて、都の見解を求めます。

【防災対策】
 次に、防災対策について質問します。
 はじめに、水害対策についてであります。
 今年の夏は5年ぶりにエルニーニョ現象が発生し、秋にかけて続く可能性が高いと言われております。この現象が起こると、日本では集中豪雨に加え、台風の列島直撃等も増えると予測されていることから、浸水被害への備えが必要であります。
 豪雨対策に必要なことは、河川整備、下水道整備、流域対策を複合的、重層的に実施していくことであります。中でも、宅地での雨水浸透が中心となる流域対策は、広範に展開していくことが肝要であり、都民の協力が不可欠であります。
 そこで、この流域対策を推進していくために、宅地での雨水浸透対策の一層の支援や啓発活動等に積極的に取り組むべきであると考えますが、都の見解を求めます。
 また、浸水被害は、豪雨だけが原因とは限りません。平成24年10月の米国を襲ったハリケーン「サンディ」は、ニューヨークの地下鉄を高潮によって水没させています。
 もし、東京でこのような災害が発生した場合、沿岸の地下街や地下鉄等では、人命や公共交通機関等に重大な影響がもたらされる可能性が高いと考えられます。
 都は、地下街や地下鉄への水害は、豪雨のみならず、高潮や津波、地震による破堤などによっても起こり得ることを考慮するべきであります。
 地下街、地下鉄等を水害から守るためには、水害全般の対策等をしっかりと検討する体制づくりが不可欠であると考えますが、都の見解を求めます。

【島しょの災害対策強化】
 最後に、島しょ部の災害対策について質問します。
 南海トラフ巨大地震発生の際には、救援活動が西日本に集中することが想定されます。そのため、八丈島町では、人口約八千人が長期間にわたって孤立化することが危惧されております。
 また、最大で30メートルを越える津波が想定されている新島村では、避難対策や備蓄の強化が最大の課題であり、わが党はその対策の推進を求めてまいりました。
 都は、本定例会に「東京都地域防災計画・修正素案」を報告しております。
 これには、「南海トラフ巨大地震等による東京の被害想定」や、昨年10月に発生した伊豆大島豪雨災害の教訓を踏まえ、新たな課題と概要が記されております。
 しかし、残念ながら、伊豆諸島の各島が抱える状況は深刻であるにもかかわらず、緊急課題についての具体的な事業スケジュールが明らかになっておりません。
 加えて、島しょ部の状況は、地形や地盤、集落など、島ごとに異なります。
 そこで都は、具体的な取り組み内容と事業スケジュールを明らかにした「防災計画のアクションプラン」となるものを早期に策定し、島しょ部の地域特性に応じた防災対策の強化、着実に進めるべきであります。見解を求め、代表質問を終わります。




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