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平成 24 年 第1回定例会の報告

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平成 23 年 第1回定例会の報告

平成 22 年 第4回定例会の報告

平成 22 年 第3回定例会の報告

平成24年《第3回定例会 代表質問》

27年半の投獄にも耐え、人種差別を撤廃した南アフリカのネルソン・マンデラ元大統領は「あらゆる人間の心の奥底には、慈悲と寛容がある。肌の色や育ちや信仰の違う他人を憎むように生まれついた人間などいない。人は憎むことを学ぶのだ。そして、憎むことが学べるのなら、愛することだって学べるだろう。」と語っています。 お互いの差異を認め合い、いじめのない社会を築いていくことは、「人間の尊厳」を打ち立てる人権闘争と言えます。いじめは、人間の尊厳を踏みにじる精神的な拷問であり、心に深い傷を残します。

【いじめ問題】
今の日本は、大人社会の人権意識の低下が子ども社会にも鏡として反映しています。いじめは最大の人権侵害です。 社会全体でも時代風潮に流され、悪いことを悪いと言い切れない弱さや曖昧さが見え隠れしている現代において、今ほど人権感覚を鍛え上げることが大事になっている時代はありません。人権意識の高揚に向けた知事の基本的認識について所見を伺います。 次に、いじめ対策について質問します。 最近のいじめの特徴は、集団で一人を寄ってたかって攻撃し、正義感で苛めていることを注意した子が、今度は苛められ、ターゲットが変わる傾向があります。 いじめは、どの学校でも、どの学級でも起きているという危機感を共有することと、いじめは絶対に許さない、いじめる側が100%悪いとの共通認識が大事です。 都内の全ての公立学校を対象にした「いじめの緊急調査」で、「いじめ」と「いじめの疑い」を合わせて11507件。いじめ問題の裾野はさらに広がる可能性があります。 いじめについては、人権侵害という基準で早期に対応しなければなりません。そこで都は、緊急調査の結果等を踏まえて有識者による会議を設置するなど、強力ないじめ対策を図るべきと考えます。見解を求めます。 壮絶ないじめの渦中でいじめられている子は、親にも教師にも言わない、というより言えない状況があります。いじめる側も巧妙で、教師に分からないように執拗にいじめを繰り返します。教師にチクルと言う行為により、いじめは一層陰湿になります。 だからこそ、子どもの表情やクラスの変化を見抜き、いじめを教師が直接発見することが大事なのです。年齢や職務経験にかかわらず、子どものいじめを見逃さず、寄り添い解決できる力をつけ、子どもを守れる教師集団になる取り組みが必要であると考えます。都の見解を求めます。 いじめを克服した中学校の事例では、校長と担任が協力して180人の生徒一軒一軒家庭訪問を行い、保護者に対して「一世一代のラブレターをお子さんに書いてください」と真剣に訴え、全員の手紙を集めて臨海学校の夜に手渡しました。子どもたちは、愛情に満ちた手紙に感動し、涙したそうです。子どもの幸せのために教師が力を合わせ、工夫し真剣に取り組むことが、いじめ解決に必要です。 多忙な時間をこじ開けて、家庭訪問等の対話を通じて、子どもと親や教師との信頼関係を深めることが重要であると考えますが、都の見解を求めます。 次にネットから子どもたちを守る取組みについて質問します。 電子メールや携帯電話などの電子媒体を用いたネットいじめは、青少年の間で、急速に広がっています。ブログやプロフ、ツイッターに悪口を書きこまれたり、なり済ましで偽情報を流されたり、匿名性が高いため、第3者にも、悪質な映像が広まり、被害者を精神的に傷つけます。サイバーリンチ、ネットリンチとも呼ばれ、過激で陰湿なネットいじめで自殺者もでています。このような状況は、断じて、看過できません。都は、有害情報や偽情報の削除を要請する権利も含めて、強制力を伴ったネット被害防止対策について確立すべきです。見解を求めます。 いじめ問題は、あくまでも教育現場で解決することが大原則です。しかし、恐喝や暴行,傷害等、生命の危険が脅かされている場合には、警視庁と連携を取りながら、対応する場合が生じてまいります。自殺に至るような悩みを抱えている被害者や保護者が、直接警察等に相談できるハードルの低い仕組みが大切だと考えます。警視総監の所見を伺います。

【利根川渇水対策】
次に、緊急の課題である利根川渇水対策について、質問します。 8月初旬には、ほぼ満水だった利根川上流8ダムの貯水量が、たった1か月雨が少ないだけで、4割を切るという異常事態に陥りました。この事態を受けて東京都水道局を含む、利根川水系渇水対策連絡協議会は、9月11日、11年ぶりに利根川水系の10%の取水制限を行いました。このような状況を踏まえ我が党は、今月13日に利根川上流の8つのダムのうち、最大の貯水量を擁する矢木沢ダムを視察、貯水率は6.6%であり、湖底が露出しておりました。 利根川上流のダムの利水容量は3億4,349万立法メートルもあるのにかかわらず、すこし雨が降らないだけでも、あっという間に貯水量が減少してしまうことが分かりました。 夏の需要期の始めにあたる7月にこのような状況が生じた場合には、取水制限が長期にわたり、厳しい給水制限や断水の恐れ、場合によってはダムの貯水量が枯渇するような事態も起こり得ます。八ッ場ダムの一刻も早い完成が必要だと改めて実感いたしました。政権発足後に八ッ場ダムの建設を安易に中断させている民主党政権の無責任さに憤りを感じます。 これまでにない異常気象が続く状況の中で、首都東京として都民の暮らしの安全・安心を支えるために、厳しい渇水の際にも安定給水を継続するための取組を進めていくべきと考えますが、見解を求めます。

【防災対策】
次に、震災対策について質問します。 公明党は「防災・減災ニューディール」政策を掲げ、その「推進基本法案」を参議院に提出しています。橋や道路などの社会資本の長寿命化等に重点的に予算を投入し、ムダな公共事業を排して防災・減災対策を推進するものです。  都が今月12日に公表した「東京都地域防災計画」の見直し素案でも、応急活動拠点となる施設の耐震化やマンションの長寿命化の促進、さらには既存の防災拠点活用など、今ある社会資本ストックを防災対策に有効に活用する方向性が出されております。  また、都議会公明党がこれまで提案してきた対策も随所に反映されており、例えば木造住宅密集地域の解消策、一斉帰宅を防ぐ帰宅困難者対策などの施策は、都民の命を守る事業として強く主張してきたものであります。  首都直下地震の切迫性が指摘される中で、大切なのは地域防災計画の内容を着実に実行することです。そのためには、知事の強いリーダーシップが求められますが、新たな地域防災計画に基づく防災・減災対策の推進に向けて、石原知事の決意を伺います。

【都市基盤の強化】
 見直し素案に沿って、さらに幾つか質問します。  まず、減災対策として、あまり注目してこなかった道路や河川の護岸、港の岸壁の背後における空洞などの調査です。路面の空洞や陥没の発生は、道路であれば老朽化した下水管の破損や工事で埋めもどした砂の沈下、また、護岸などの背後の通路では、護岸に亀裂が生じている際、引き潮による内部土砂の流出現象が主な要因とされています。  東日本大震災の際、被災地の各地で発生した道路の陥没などもそうしたことが要因といわれています。さらに、震度5以上の強い揺れによって路面の下の空洞化が一気に進むという指摘もあります。  このような路面陥没を抑え、災害時の安全を確保するためには、都民の命を守る砦となる道路や護岸、岸壁の背後などの空洞化対策を検討すべきです。見解を求めます。

【沿道建築物の耐震化】
 都市基盤の分野では、特定緊急輸送道路沿道の建築物耐震化の推進も重要で、今後3年間で100%の耐震化という見直し素案に示された目標を達成するためには、さらなる取組みが不可欠であります。  そこで、期待されるのは、社会貢献に応じて建築規制を緩和する総合設計の活用による容積率のアップなどのインセンティブやビル所有者への経営改善支援の活用促進です。 都の総合設計制度は、緊急輸送道路沿道の場合、公開空地などの割増しに加え、耐震強化の取組みで最大80%の容積率の上乗せを可能としており、区部では延べ床面積1万平方メートルを超える沿道建築物に対して耐震化を促しています。 しかし、緊急輸送道路沿道建築物の大半は1万平方メートル以下であるなど、その多くは区市の所管ですが、区市では耐震化の割増が制度化されていないところも多く、そもそも総合設計制度の活用事例が少ないという実態もあります。  そこで、緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を確実に進めていくため、広く区市全域において、総合設計制度が活用されるべきと考えます。見解を求めます。 さらに、テナント確保や事業経営など、特定緊急輸送道路沿道のビルオーナーの抱える様々な課題についても対応を行うべきものと考えます。見解を求めます。 また、都は我が党の求めに応えて、本年7月、「都営住宅耐震化整備プログラム」を改訂し、2020年度までに都営住宅を100%耐震化するという新たな目標を掲げました。しかし、耐震化を確実にスピードアップさせるためには、併存店舗付き都営住宅の耐震化が大きな課題です。 都営住宅の一階部分に存在する店舗は、民間権利者が区分所有する仕組みになっており、耐震設計や耐震工事には、必ず所有者としての費用負担が伴います。 一方、併存店舗の多くは、景気低迷や、大型店舗の進出、購買層の高齢化などから経営難に直面しており、耐震化の促進には新たな対策が必要です。 そこで、一刻も早い耐震化が求められている緊急輸送道路沿道の併存店舗付き住棟について、所有者の費用負担の軽減に向けた検討を行うべきです。見解を求めます。

【木密地域不燃化10年プロジェクト】
次に、木密地域不燃化10年プロジェクトについて質問します。 都は、最大の弱点である木密地域の解消に向けて、整備地域7,000ヘクタールを対象とし2020年までに整備を完了する「不燃化10年プロジェクト」を立ち上げました。 市街地の不燃化に向けて、都は8月に「不燃化特区」の先行実施地区の選定を、当初3地区程度としていたものを、応募した12地区全てを指定するよう我が党が要望した結果、全てが指定されたことは評価致します。 次は、特別な支援制度を早期にとりまとめ、手厚い支援のもと都と区が連携した整備を進めるとともに、東京全体の木密地域解消に向けて12地区以外にも拡大を図っていくべきであります。見解を求めます。 また、延焼遮断帯を形成する「特定整備路線」については6月に23の区間を選定しました。整備にあたっては生活再建等のための特別な支援を実施とのことですが、その内容を早急に明らかにするとともに、23の区間以外の整備を、どこまで拡充するのか全体像を示すべきです。見解を求めます。

【非構造部材の耐震化】
次に、非構造部材の耐震化について質問します。 民間の調査によると、東日本大震災では大規模空間を有する建物の天井については、比較的新しい建物も含め脱落する被害が約2千件も発生したと報告されています。 都議会公明党は、議会での質問や知事への申し入れで、避難所ともなる学校施設の非構造部材の耐震化を主張してきました。国が対策の基準を示さない中、区市町村が小中学校において独自に対策を進めることは限界があります。 都立学校では、現在、国に先駆けて専門家を活用した非構造部材の耐震化の取り組みを行っています。そこで、現在の取組み状況と今後の公立小中学校における都の支援策について見解を求めます。 さらに、一時滞在施設の非構造部材を含めた耐震性確保を図ることも必要です。都の見解を求めます。

【既存防災施設の活用】
次に、既存防災施設の有効活用について質問します。今回の地域防災計画修正素案には、都がこれまでに整備してきた亀戸・大島・小松川地区、白鬚東地区などの防災機能を有する施設を有効活用するため、貯水槽等の維持・更新を適切に実施していく旨が盛り込まれました。  ライフラインの耐震対策と同様に、備蓄倉庫や貯水槽など防災機能を有する既存施設を維持・更新して発災時に最大限活用できるよう整備しておくことは、被害の拡大を防ぐとともに、復旧活動を助け、都市機能の回復を早めるためにとても重要です。 そこで、特に老朽化が進む白鬚東防災拠点の都営住宅と民間マンションの地下に設置されている貯水槽については、給水拠点として活用できるため早期に更新に着手すべきであります。見解を求めます。

【女性の視点に立った防災対策】
 次に、女性の視点に立った防災対策について質問します。これまで都議会公明党が女性の視点の重要性を指摘し都の取り組みを求めたのに対し、都は東京都防災会議の専門委員への女性委員の選任や、被災地に派遣された都の女性職員によるワーキングチームを設け、具体的な検討を進めました。これにより、今般の地域防災計画の修正素案には、避難所運営や備蓄など個別対策にも女性の視点からの多くの記述が盛り込まれ、現場に即応した対策が講じられています。 そこで、今後、この対策を一層推進していく必要があると考えますが、見解を求めます。 今回の見直し素案で、特に女性や高齢者、災害時要援護者への配慮に関する支援内容が充実したのは、避難所運営についてであります。そこで、実際に避難所運営を担う区市町村の取り組みをさらに進めるため、都は区市町村向けの「避難所の管理運営の指針」を見直し、女性や要援護者への具体的な配慮を盛り込むべきです。見解を求めます。

【帰宅困難者対策】
 首都直下地震が発生した場合、帰宅困難者は東京で517万人と推定されていることから、帰宅困難者対策は今後の地域防災計画の重要な項目となります。  今回の見直し素案の作成にあわせ、「首都直下地震帰宅困難者等対策協議会」はこのほど、事業者が取り組むべき事項をガイドラインにまとめました。  今後は、このガイドラインの内容をいかに各企業や事業所の取り組みに繋げていくかが、重要であります。そこで都は、来年4月の条例施行を前に、ガイドラインの浸透を図るため、事業者に対する「出張説明会」を行うなど、積極的に普及啓発を行うべきです。見解を求めます。

【災害医療体制】
 次に、災害医療体制の強化について質問します。見直し素案では、主に重症者の収容・治療を行う災害拠点病院の活動と連携し、新たに、中程度の傷病や容体の安定した重症者に対応する災害拠点連携病院の指定や、専門医療や慢性疾患に対応する災害医療支援病院を指定するとしています。さらに、区市町村による緊急医療救護所の設置方針も示すなど、災害時の医療連携を重視していることが大きな特徴となっております。 限られた医療資源を有効に活用するには効果的な仕組みではありますが、地震による負傷者は、拠点病院、連携病院、支援病院、緊急救護所にかかわらず最寄りの医療機関に殺到し、混乱する中で負傷の程度に合わせた病院に振り分ける作業は困難を極めると思われます。そこで、それぞれの役割を担った病院間の搬送体制を構築し、負傷者に備えるべきであります。見解を求めます。

【被災地支援と食の安心への取組】
次に、被災地支援について質問します。 原発事故の発生以来、未だ被災地は様々な点で厳しく、とりわけ農水産物は、風評被害が深刻で出荷されても被災地名だけで買い控えられるという状況です。 豊島市場では、市場から仕入れる小売業者に、「市場おすすめのお店です」とうたったオリジナルな提灯を配布する方法で、生産物販売を支援しています。こうした取り組みは、被災地を支援するとともに小売業者や市場の活性化につながり、多くの都民のかかえる食の不安について安心を与えるきっかけになると考えます。 そこで、地方市場を含む全市場において小売りを中心とする業界と都が協力することにより、これまで以上に風評被害を効果的に解消し、消費者に安心感を与える取り組みを進めるべきです。見解を求めます。

【被災地支援・バリアフリー映画】
被災地では障がいを持つ方々が現在もなお厳しい環境のなかで、新たな希望を求めて奮闘を続けています。このような皆さんに、芸術文化に触れる機会を積極的に提供していくことが大きな心の励ましにつながります。 都議会公明党は、聴覚障がい者のため日本映画に字幕を付けることや、視覚障がい者も映画館で鑑賞できる音声ガイドを推進してきました。その結果、東京国際映画祭をはじめバリアフリー映画を上映する機会が増え、昨年は東京都写真美術館でも上映が実現しました。映画の鑑賞を通じて障がい者が気軽に芸術文化に触れることが可能になりました。 バリアフリー映画の上映については企業が社会貢献活動の一環として推進している例もあり、民間を中心に行われています。被災地でのバリアフリー映画の上映に向けて、都は民間とも連携して具体的な支援をしていくべきと考えますが、見解を求めます。

【再生可能エネルギー】
次に、再生可能エネルギーの拡大について質問します。 都は、6年前に「東京都再生可能エネルギー戦略」を策定し、再生可能エネルギーを2020年20%という高い目標を設定しています。 再生可能エネルギーの利用を飛躍的に拡大するには、わが国の自然エネルギーのポテンシャルを最大限活用するために必要な国の実効性ある取組を要求するとともに、都として独自の取組みを展開しながら、それらを戦略的・体系的に位置づけていく必要があります。 これまで以上に再生可能エネルギーに対する期待が高まる中、都は、20%を概念的な目標に終わらせるのではなく、より具体的な姿を示すべきであります。見解を求めます。 次に、「ネガワット」の推進について質問します。原発の停止により全国的な電力需給のひっ迫が懸念された今年の夏、「ネガワット」という考え方が注目を集めました。「ネガワット」は、家庭における日頃の省エネ・節電の蓄積が発電と同等の効果を生むという考え方です。 本年の秋から冬にかけて、古い火力発電所の点検が実施されることを考えると、さらなる省エネ・節電対策が求められます。 都の「ネガワット」についての考え方と、家庭における「賢い節電」についての具体的な施策について、見解を求めます。

【中小企業支援】
次に、中小企業支援について質問します。 都内中小企業は、長引く円高に加え、直面する電力料金の値上げ等が響き、景気の先行きの不透明感も相俟って非常に厳しい状況となっています。 こうした現状であるにも関わらず、中小企業金融円滑化法は今年度末で終了とされている一方、国のいうソフトランディング策は一向に進んでいないと言わざるを得ません。 この問題に加え、8月末に、セーフティネット保証の業種絞込みが公表されました。 これまで公明党が現場の声を国に届け拡充されてきたこの保証制度に基づく、都の制度融資メニューは、リーマンショック以降の極めて厳しい経営環境に直面した都内中小企業の資金繰りに大きな役割を果たしてきました。 これまでは業況が悪化している全業種の中小企業が利用できましたが、政府はこれを大幅に絞込み、4割の業種について業況が改善したとして、切り捨ての決定をしました。 中小企業の窮状を全く省みることのない国の対応に大きな問題を感じますが、こうした事態の中で、業種絞込みで資金繰りに支障をきたす可能性のある中小企業に対し、都として支援策を講じるべきです。見解を求めます。 また、中小企業者の資金調達に支障が生じないよう、この度の業種絞込みに伴う対応について、都内中小企業や関係機関に周知を図っていくべきと考えますが、見解を求めます。 一方、東京商工会議所によれば、中小企業円滑化法による条件変更を利用した企業が作成することとなっている「経営改善計画」について、金融機関の半数が2割未満しか受け取っていないとしており、このままでは中小零細企業などは、融資の継続が打ち切られるのではないかとの心配が広がっています。こうした事態に、都は確実に対応策を講じておくべきです。 また、経営の改善に当たっては、これまでの事業の大幅な見直しや事業転換など、思い切った取組も必要であり、あらゆる角度から計画的に会社の再建・将来を考えていくことが重要と考えます。 こうした中、都では、中小企業に対し経験豊富な専門家が最大8回まで会社を訪問し、現場の実態に即したアドバイスを行う「専門家派遣事業」を実施しています。先日もそのアドバイスを受けた企業から、『自分では気付かなかった会社の課題と解決に向けた懇切丁寧な助言をもらい、今後の事業展開の先が見えてきた。』との高い評価がありました。 このように「経営改善」に効果をあげている経営相談事業を、今後はさらに拡充していくべきと考えますが、見解を求めます。

【低所得者の自立支援】
次に、生活困窮者の自立支援について質問します。最近、就職難などから生活保護を受ける事例が、10年で約4倍に増加しているとのことであります。 本来、就労可能者のセーフティネットは、生活保護制度に求めるべきではありません。 終身雇用制度の崩壊が進む中、非正規就労者を対象とした雇用保険制度を整えるべきでありました。しかし、国は今も、雇用のセーフティネットとしての役割の多くを、生活保護制度を通し、区市の自立支援事業に担わせており、就職できないまま保護期間が長期化するなど社会復帰が一層困難になっています。 現在、国では生活保護法の改正に向け、地方などの意見を聴取していますが、就労可能であるにもかかわらず、離職・失職する場合は、生活保護を受ける前に、いわゆる第二のセーフティネットによる積極的な救済を受けられるよう、機能強化を図るべきと考えます。知事の所見を伺います。 近年、都内の区市は、国事業を活用して就労支援員を配置し、自立支援の強化を図っています。 足立区では、被保護者に限らず、引きこもりや就労経験のない若者を対象に、相談員が利用者とペアになって、比較的労働負荷の軽い職場で一緒に働きながら、次第にステップアップを図っていく仕組みが効果を挙げています。相談員が雇用主と利用者の間に立って緩衝材的な役割を果たし、利用者の心身のケアに配慮し、粘り強く労働意欲の向上を導き、昨年度は約800人が就労、そのうち約200人が正規職と目覚ましい結果です。 現在、自立支援を専門とする支援職員は、就労支援員だけです。模擬的な就労の現場から社会復帰支援に取り組む制度など、自立支援の充実と、メンタルケアの配慮も含めて専門的に社会復帰支援を担う支援員制度の充実・強化を、国に求めるべきと考えます。併せて、それまでの間、都独自の取組みを一層充実させるべきと考えます。見解を求めます。

【盲ろう者支援】
次に、盲ろう者支援について質問します。 先月、都議会公明党は「盲ろう者支援センター」を視察し、今後の課題を調査しました。 石原知事の英断で、我が国初のヘレンケラーセンターともいうべき同センターが開設され3年になります。現在では100名を超える盲ろう者が支援サービスとともにコミュニケーション手段を身に付け、生き生きと活動している様子に改めてセンターの重要性を確認しました。 しかし、都内に約2,000人いるとされる盲ろう者の内、センターにつながったのは、わずか20分の1で、未だ支援につながらない多くの盲ろう者の方がいます。 言うまでもなく、盲ろう者は、その障害ゆえに自ら支援機関に出向いたり、連絡することが困難であり、支援する機関やサービスの情報すら本人や家族に届かない状況です。 東京盲ろう者友の会・理事長の藤鹿一之(ふじしか・かずゆき)さんは、ご自身の経験から『全盲ろうとなり、コミュニケーション手段を失った。しかし、行政の職員が訪問してくれ、そのことで現在の自分がある。』と話していました。 都は、これまで以上に区市町村と連携を深め、盲ろう者や家族を直接訪問し実効性のある支援につなげていくべきと考えます。見解を求めます。 また、現在、センターの支援につながった方々の多くは、都による「盲ろう者通訳・介助者派遣事業」を利用して外出したりコミュニケーションを取ったりしています。 私たちが訪問した際にも、通訳・介助者の方が指点字によって盲ろう者の方との架け橋になってくださり、意見交換できました。 今後は、より多くの盲ろう者が社会参加することになれば、それを支える高い技術を有した通訳・介助者の存在がますます重要となります。そこで、通訳・介助者のさらなる養成や待遇改善、派遣時間の拡充などを図るべきと考えますが、見解を求めます。 また、多摩地域に盲ろう者を支援するセンターを設立することを強く要望しておきます。

【東京大気汚染訴訟】
 次に、東京大気汚染訴訟について質問します。  平成19年の訴訟和解を受け、医療費助成制度が新たに創設されました。この制度は都が提案し、医療費患者自己負担分を都・国・首都高・自動車メーカーが負担するという画期的な制度であると評価しております。  訴訟の和解条項には「東京都は、本制度の創設後5年を経過した時点で検証の上、本制度の見直しを実施する」との文言が盛り込まれており、明年8月に制度創設満5年を迎えます。  見直し時期まで1年を切り、患者団体の皆様からは、引き続きこの制度を継続してもらいたいとの要望が寄せられています。  医療費助成制度創設にあたって先頭に立った都として、関係者に働きかけ、明年8月以降も制度が継続できるよう積極的に取り組んでいくべきであります。見解を求めます。

【オリンピック招致】
次に、2020年東京オリンピック・パラリンピック招致について質問します。  先ず、オリンピックで活躍し、日本中に感動と勇気を与えてくれた選手を讃えた銀座でのパレードには50万人の観衆が集まりました。このパレード直後の都内世論調査では、66%の人が、2020東京オリンピック開催を望んでいるとの調査結果でした。  12月から1月頃実施予定のIOCの全国世論調査に向けて、この支持率を如何に向上させるかが招致決定のカギとなります。 そこで、オリンピック・パラリンピックのメダリストなどの協力を得て、子どもたちをはじめ多くの国民が身近で触れ合えるような取組みを全国に展開し、日本が一つになって2020東京オリンピック・パラリンピック招致機運が醸成されるよう努めるべきですが、見解を求めます。  また、日本を代表して活躍したパラリンピアンに対し、先立って行われたオリンピアン凱旋パレードと同様、国や都をあげて感謝と称賛を届けるイベントを開催すべきと強く求めますが、見解を求めます。 次に、アスリートへの支援策であります。 公明党も推進したナショナルトレーニングセンターの専門的・科学的知見によるオリンピックアスリートへの支援活動は高い評価を得ているところです。 一方、今回のパラリンピック選手の中には、全ての活動資金を自分でまかない、地域の体育館でひたすら練習を重ねながら、メダルを獲得したアスリートもおります。 こうしたパラリンピアンの活動を支えるために、都は、ナショナルトレーニングセンターを利用できるよう、国に働きかけるなど、支援の拡充を求めるとともに、都としても、障がい者のトップアスリートを育成できる仕組みを構築すべきです。見解を求めます。

【障がい者スポーツ】
次に、来年開催されるスポーツ祭東京2013は、東京が目指す2020年のオリンピック・パラリンピックの開催機運を大きく盛り上げる絶好の機会であり、さらに障がい者スポーツの開催を通じて、バリアフリー先進都市としての東京を世界へアピールするチャンスであります。 スポーツ祭東京2013には、障がい者のアスリートはもとより、観客席にも競技を応援する障がい者の方々が多く訪れます。 特に、全国障がい者スポーツ大会については、競技会場や周辺のバリアフリー対策に万全を期すべきであります。誘導ブロックやエレベーター、スロープ、手すりなどハード面の取り組みの他、視覚障がい者のための各種音声誘導装置、聴覚障がい者のための集団補聴システムの積極的な導入、さらに障がい者をサポートするボランティアの協力態勢など、きめ細かな対応を講じるべきと考えます。 また、各競技場への最寄り駅からのアクセスについても十分な配慮とサポートが必要であります。併せて見解を求めます。

【自転車の安全利用】
 次に、自転車の安全利用について質問します。 我が党は、これまで他党に先駆け平成23年第1回定例会代表質問や予算特別委員会で、自転車安全利用条例の早期制定を主張し、安全利用の推進を求めて参りました。 しかし、自転車による交通事故の件数は、依然高い数値にあり、警視庁交通部によると、都内での平成23年の自転車関与事故の件数は、1万9,209件となっています。  このたび、「東京都自転車対策懇談会」から、都に対する提言が行われましたが、その中に安全利用条例の制定など、様々な提案が盛り込まれております。都はこの提言を受けて、ただちに自転車の安全利用に関する条例を制定すべきであります。 具体的には社会全体での安全教育の推進、自転車の点検・整備の促進、また放置自転車対策の推進等の総合的な内容とすべきであります。条例制定について見解を求めます。

【多摩の新ビジョン】
次に、多摩の振興策について質問します。 多摩地域は人口が400万人を超え、大学や研究機関、先端技術産業の集積、加えて自然環境にも恵まれるなど、多摩ならではの魅力に溢れた地域であります。 都はこれまで、「東京構想2000」を受けて、平成13年に「多摩の将来像2001」を策定し、それに続く「多摩アクションプログラム」や「多摩リーディングプロジェクト」などを通じ、地域交通網の充実や医療体制の整備などを図ってきました。 また、「多摩の山手線」としての多摩都市モノレール構想や多摩シリコンバレーの形成による産業交流の活性化の検討など、多摩振興に向けて数々の構想を打ち出してきました。 「多摩の将来像2001」は、それまで三多摩格差の解消を目指していたものから、区部との比較ではない、多摩地域の発展の潜在力に視点を移した点では画期的な構想でありました。 都は今後、「多摩の将来像2001」に代わる新たなビジョンを策定するとのことですが、まずは、将来像として同構想で描いた平成27年の多摩地域のあるべき姿についての検証を行うべきと考えますが、見解を求めます。 また、こうした検証を踏まえた上で、新たなビジョンを策定する際の新しい多摩の将来像を描く理念は何か、見解を求めます。

【離島振興法改正に伴う離島支援】
最後に、離島振興法改正に伴う都の離島支援について質問します。 本年6月に、改正離島振興法が成立し、公布されました。今回の改正により、離島振興が国の責務であることが明示されたことは画期的です。 また、新たに離島活性化交付金制度が導入され、地元提案型の定住対策や観光対策などソフト対策事業が推進できるようになりました。 さらに、離島特別区域制度が導入され、様々な規制を取り払い、各島(かくしま)の創意による離島振興が行える道が拓かれました。 我が党は、他党に先駆けて「離島振興ビジョン2010」を発表し、多くの島の意見・要望を受けて今回の改正を強力に推進しました。その結果、我が党の提案が数多く盛り込まれた内容となっています。 これからは、離島の各島(かくしま)が、新しい法律をいかに活かすか地元の創意工夫にかかっています。 現在、都内の各島(かくしま)では、来年度から10年間を見据えた離島振興計画案づくりが行われています。これを基に都として新たな離島振興計画を策定することになっています。そこで都は、各島(かくしま)からの生活実態をふまえたソフト支援策や規制緩和などを強力に支援すべきあります。 特に、各島(かくしま)で共通している課題である若者が地元で雇用されるよう定住対策を積極的に支援すべきであります。こうした視点をふまえて、都は計画を策定すべきと考えますが、都の具体的な取り組みについて見解を求めます。 また、離島振興計画の策定にあたっては、広域的な視点で総合的な島しょ振興策を明らかにする必要があります。そのためには、関係局と綿密な連携を行うため検討会を設置すべきと考えます。


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