「中道」の旗掲げ新たな衆望担う 2. 次の50年をめざして (1)中道の今日的意義 |
50年の節目を迎えるに当たり、公明党の掲げる「中道」の今日的な意義と立ち位置について、触れておきたい。公明党は党綱領に中道主義を明記した唯一の政党です。「中道」とは、政治理念としては「生命・生活・生存を最大に尊重する人間主義」であり、その中には、反戦平和、社会的公正といった意味が込められています。そして政治路線としては、政治における“座標軸”の役割を果たすことをめざし、具体的には①政治の左右への揺れや偏ぱを正し、政治の安定に寄与する②不毛な対立を避け、合意形成に貢献する③時代の変化に応じた新しい政策提言を行う――の三つの役割を果たすことにあります。先の新しい安全保障法制整備に関する閣議決定に至る過程で示した公明党の対応は、この政治路線の今日的かつ現実的な対応でありました。
キーワードは「合意形成」と政治の新しい進路を切り開くことです。国家や国民にとって何がプラスになるのか。世界の中の日本としてどう貢献していくべきか。そのために、いかにして幅広い国民合意を形成していくのか。ポピュリズム(大衆迎合)を排しつつ、「合意形成の政治」の推進に向けて、不断に自己改革・錬磨に努める。そこにこそ新たな時代の新たな衆望を担う中道政治の前進があることを銘記したいと思います。 |
(2)政党の新しいあり方を求めて |
昨今、政党の理念なき離合集散が相次ぎ、その存在意義が問われる、あるいは“政党不要論”さえ、ささやかれる状況は民主主義の危機であります。民主主義は議会なくしてありえず、議会は政党なくして機能しません。その政党が生まれては消える瞬間政党(フラッシュ・パーティー)の離合集散であったり、重要政策に関して党内合意すら形成できない、統治能力を欠いているようでは、民意を集約する政党本来の姿とは到底言えない。しかも政党には、国民の声を政治に反映させるために、それをきちんと受け止めることのできる仕組みが必要不可欠です。国民の意見が多様化すればするほど、それをまとめ上げ合意を図る政党の役割は重要性が増しているのであって、政党に対する国民の厳しい視線は政党の復活・再生を望む国民の意思の表れと考えるべきです。
公明党が「大衆とともに」の立党精神を原点とし、現場第一主義に徹してきたのは、そうした土台なくして、国民の信頼に基づく政治はあり得ないからです。公明党は、党員と地方議員、国会議員のネットワークがあるからこそ、国民の声を政策や政治判断に生かすことができます。公明党は今後も、地域密着型の政党として運動を展開していくことが、国民の期待に応える道だと考えます。
さらに、政党には政治人材の発掘、育成が求められており、「政治家を養成する学校」という側面もあります。その中で修練されたリーダーを輩出していくことは、にわか政党にはない公明党ならではの機能であります。こうした強みを最大限に生かし、国民が待望する政党へと自己練磨していこうではありませんか。
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